PR

 建築の世界には、水平・垂直にこだわる人が多い。設計図の「線」を描くときに気分で曲げたり、あるいは建物をつくるときになんとなく角度を振ったりすることを「許せない」と考える人たちがそうだ。曲げたり角度を振ったりする場合には明確な根拠を求める。例えば、設計者は「敷地を取り巻く地理や歴史、気候、風土などの諸条件を勘案すると、真北に対して時計方向に32.16度を振った角度が計画建物にとって最適な軸線となる……」といった具合に設計コンセプトで裏付けたりする。

 建築や住宅のプロたちの水平・垂直へのこだわりは、建物だけにとどまらず、建材・設備にも向かう。ゴテゴテした装飾や意味のない凸凹、余計な曲線などが施された製品を好んで採用するプロはあまりいない。実際、10月1日に開設するサイト「建材・設備ガイド」が催した鼎談で、建築家の横河健さんも「本当に欲しいのはプライマリーな製品だ」と話していた。いわゆるシンプル・イズ・ベストの製品は重宝されてプロユーザーの「定番」になり、その評判はプロ仲間にクチコミで広がる。プロが認めた「使える製品」は、こうして生まれていく。

 建築の世界でよく使われる言葉の一つに、角を面取りしない、あるいは丸めないという意味の「ピンカド」がある。シャープなエッジを利かした建物には欠かせないデザイン要素だ。ところが、押し出し材などを除き、ピンカドで形づくられた製品をあまり見かけることはない。その理由は安全面に対する配慮が主だが、ほかにも製作工程が難しい、製品精度が確保しにくい、破損しやすい――など、メーカーが製品化に二の足を踏まざるを得ない事情がある。

 そんな中、「ピンカドの製品が欲しい」というプロたちの熱い要望にこたえるメーカーも現れてきた。具体例を挙げると、180mm角のキューブ状の階段通路誘導灯「FYY43000/松下電工」、角が直角なスイッチプレート「NKPシリーズ/神保電器」などだ。ピンカドの製品をはじめ、水平・垂直を強調して過飾を排した製品も徐々に品ぞろえを増やしつつある。例えば、平面と直角で構成する水栓金具「RENESSE(ルネッセ)/TOTO」、3次元プレートトラス構造を採用したカーポート「M.シェード/三協立山アルミ」などは、こだわり派のプロたちに訴求する製品だといえる。

 「既製品はデザインがいまひとつ」と先入観を持たずに、最新の製品情報をのぞいてみてはどうか。意外と「使える製品」が探し出せるかもしれない。