PR

 国土交通省北海道開発局発注の工事をめぐる官製談合事件で6月16日、同省北海道局長(当時)の品川守容疑者ら3人が逮捕された。同開発局では5月にも、農業土木工事の談合で元幹部職員らが起訴されている。

 官製談合などの不祥事を招く一因としてよく指摘されるのが、発注官庁の天下りの問題だ。天下りの規制強化に向けて法の改正など様々な対策が講じられてはいるが、談合の根絶が難しいのと同様、決定打と呼べるものは見当たらない。

 天下りがもたらす談合や官民の癒着、そして税金の無駄遣いが問題だとすれば、そのような問題が生じない天下りや再就職の方法を考えてみてはどうか。発想を転換して、まずは天下りを認めてしまうわけだ。

 ただし、その際の再就職先は公益法人ではなく、民間企業だけに限る。かえって不祥事を招くと思われるかもしれないが、以下のような方法はどうだろう。

 まず、再就職を希望する官の職員をリストアップして公表する。次に,それらの職員の受け入れを希望する企業を同様に募る。これを、昨今の総合評価落札方式を参考に,技術力(個々の職員の経験や技術力)と価格(各職員が希望する年収)をそれぞれ企業側が評価して落札者(再就職先の企業)を決める。

 工事の入札に例えれば、応札者の建設会社は官の職員に、落札したい工事は「再就職したい会社」にそれぞれ該当する。従来の入札に比べて官と民との立場が逆転するとともに、「企業対工事」から「人対企業」の関係に変わる。

 さらに、一般競争入札による総合評価落札方式とし、一つの企業に多くの官の職員が応募して自らの経験や技術力をPRできるようにする。1社に1人しか応募者がいない場合、「随意契約」は原則として禁止。再度、「入札」を実施する。

 再就職(落札)したい会社(工事や業務)を官や官民が話し合って調整する「談合」が生じるかもしれない。その可能性が危惧される場合は、4月15日付のこの欄で述べた「談合を公認したらどうなる」の手順で進める。

 公益法人には、上記の「総合評価落札方式」による競争を経て民間企業に入社し、ある程度の年数を勤め上げた人だけが就職できるようにする。

 このような「天下り」の提案(暴論?)を通して言いたいのは、官の技術者は自らの経験や能力をもっと広く社会や企業にアピールすればよいということだ。

公共事業の不透明さが批判されて久しいが、事業を担う官の職員の仕事ぶりも十分に伝わってこない。官の技術者の実態を社会が知ることによって、公共事業に対するイメージも変わるかもしれない。

 なにより、再就職先を民間企業に限ることで、公益法人を渡り歩いて多くの退職金を得ていくケースは減り、「天下り=税金の無駄遣い」と批判されることは少なくなるだろう。