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 昨年からの景気の悪化は深刻さを増し、雇用不安が高まるなか、2009年が始まった。公共投資の削減基調が反転する兆しも見えず、建設産業にとって2009年は、さらに厳しい年になりそうだ。

 例えば、2008年11月4日から国土交通省が中小建設会社向けに新しい融資制度を始めたが、景況感は好転していない。中小企業庁が12月12日に発表した景況調査によれば、2008年10月~12月期の中小建設会社の業況判断DI*は過去最悪のマイナス40.1。

 2009年1月~3月期はさらに悪化すると考える中小建設会社は多く、業況判断DIの見通し値は全産業中で最悪のマイナス45.5となった。大手の建設会社も例外ではない。

 景況感や市況の悪化に伴って、「必要な道路」や「必要な社会資本」に理解を求める声がますます強まるに違いない。2009年は総選挙をにらみ、公共投資の是非をめぐる議論も活発になるだろう。

 しかし、これまでの経緯を振り返っても、社会資本整備の必要性を訴えるだけでは建設産業の内部で盛り上がる程度。社会が簡単に理解を示すとは思えない。

 それよりも、昨今の雇用不安を解消するような施策が建設産業から打ち出せないものか。「公共投資が増えれば雇用問題も解決できる」ではなく、雇用の問題に軸足を置いて考える。

 建設産業には、社会資本の整備というものづくりの面だけでなく、「雇用の受け皿」という側面もあった。それが、無駄な公共事業に対する批判が高まり、公共投資が減少するにつれて、「雇用の受け皿」は逆に問題点として指摘されるようになってきた。

 例えば日経コンストラクションが2004年、公共事業に対するイメージを調査したところ、「公共事業が雇用対策などの福祉目的となっている面があり、そのため本当に必要な社会資本整備が進まない」(官公庁に勤める40歳代の男性)といった批判は珍しくなかった。

 もちろん、雇用のために必要性の低い公共事業を実施することなどは論外。例えばニーズはあるのに入札不調が相次ぐ除雪や日常の維持管理、道路の保全などの仕事を雇用対策の視点からとらえ直してみる。

 解雇や雇い止めなどの雇用調整ばかりが強調される昨今、「必要な道路」といった社会の納得感を得にくい議論よりも、雇用の受け皿としての建設産業の存在感を改めてアピールする方策を考えてはどうだろうか。

* 業況判断DI 前期に比べて「よくなった」と回答した割合から「悪化した」と回答した割合を引いた指数