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 年明け間もない1月8日、ビルや住宅用の樹脂製サッシで大臣認定を不正取得していた事実が公表された。試験体の補強材の肉厚を増加したり、遮炎材を増量したりするなどして、防火設備の大臣認定を不正に受験していた。

 試験体を偽装して大臣認定を取得していたのは、エクセルシャノン、三協立山アルミ、新日軽、PSJ、H.R.D.SINGAPOREの5社だ。各社は、国土交通省が2007年末に実施した「防耐火関連の構造方法等の認定に関する実態調査」に際して、「不正なし」と回答していた。また、不正な試験体の作成に主体的にかかわっていたエクセルシャノンは、社長を含む経営陣が不正受験をしていたことを知りながら、その事実を隠ぺいしていた。

 各社がコンプライアンスの点で問題があるのは間違いない。信頼を裏切る行為は、社会から厳しく糾弾されて当然だ。建材の大臣認定偽装が社会問題となって1年以上が経過した今ごろ「不正をしていて申し訳ございませんでした」と謝罪されても、ユーザー側にしてみれば「何をいまさら、ふざけんな」としか答えようがない。

 ただ、その一方で危惧していることもある。「樹脂サッシは今回の事件をきっかけに売れなくなる」――そんな声が聞こえてくるからだ。サッシメーカーの営業マンが、「樹脂サッシのイメージ悪化」を前提に売り込みを控えているという話も伝わってきた。企業の行状に激しい憤りを感じるあまり、樹脂サッシそのものに対するイメージも悪化するだろうと見る向きが少なくない。

 誤解を解く意味も含めて、強調しておきたいことがある。「悪いのはあくまで企業であって、製品ではない」ことだ。確かに大臣認定を不正に取得して流通していた一部の樹脂サッシに、期待された防火性能はない。しかし、今回の事件があったからといって、樹脂サッシが備える優れた断熱性能や遮音性能、耐久性能までもが否定されたわけではない。

 今回、不正受験をして大臣認定を取り消された「防火仕様の樹脂サッシ」は、約5500棟で使われているという。決して少ない数ではないが、樹脂サッシの全販売量に占める割合は2%足らずだといわれている。それ以外の大半の樹脂サッシは、製品としては“まとも”なものだ。高い断熱性能が今後の温暖化対策に有効であることは間違いないし、結露の防止や安定した温熱環境の創出という面でも大きな役割を果たすことは何ら変わっていない。

 サッシメーカーの営業マンも含めて、建材のプロユーザーの皆さんに再度、強調しておく。「悪いのは企業であって、製品ではない」。樹脂サッシに不安を覚えるエンドユーザーに出会ったら、そう伝えてほしい。

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