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現状の鉄路は速くて1時間30分程度、バスより遅い

 鉄道による現状の空港間連絡についてみてみる。

 都心から両空港へは、それぞれ複数の路線が通じている。羽田空港へは、東京モノレールが浜松町駅から最速16分(第1ビル:都心に近い方の駅)、京浜急行鉄道が品川駅から最速14分で結んでいる。成田空港へは、JR東日本の成田エクスプレス号が東京駅から最速50分(空港第2ビル:都心に近い方の駅)、京成電鉄のスカイライナー号が日暮里駅から最速51分(同)で結んでいる。

 両空港間は1時間10分程度で移動できるかに思えるが、実際には1時間30分から2時間程度かかってしまう。遅い理由は主に二つある。一つは直通列車がないに等しいため乗り換え時間のロスが発生すること、もう一つは都心を移動する際の列車が遅いことだ。

成田・羽田間の主な移動手段。成田を12時台に発車するケースで各ルートを比較してみた。列車名欄の略称は次のとおり:SL10号=スカイライナー10号、快特=快速特急、N'EX20号=成田エクスプレス20号、東モノ・快速=東京モノレール・空港快速。ダイヤは2009年6月5日現在のもの (資料:えきから時刻表、Yahoo!路線情報などから得られる情報を基にケンプラッツが作成)
成田・羽田間の主な移動手段。成田を12時台に発車するケースで各ルートを比較してみた。列車名欄の略称は次のとおり:SL10号=スカイライナー10号、快特=快速特急、N'EX20号=成田エクスプレス20号、東モノ・快速=東京モノレール・空港快速。ダイヤは2009年6月5日現在のもの (資料:えきから時刻表、Yahoo!路線情報などから得られる情報を基にケンプラッツが作成)

 京成・成田空港駅からは、都営地下鉄浅草線を経由して京急・羽田空港駅まで、線路がつながっている。しかし、直通列車は1日に数往復しかなく、ほとんどの時間帯で途中駅での乗り換えが必要になる。同一ホーム上で乗り換えられ負担は小さいともいえるが、空港間の移動客は重い荷物をたくさん持っている場合が多い。不便な感は否めないだろう。

 都営浅草線を経由する場合、40分ごとに走るスカイライナー号を成田空港(第2ビル)-京成船橋で利用すると1時間40分ほどかかる。20分ごとに走る一般列車を利用するなら2時間ほどかかる。

 都営浅草線を経由せず、スカイライナー号を成田空港-日暮里で利用した場合はどうか。京成船橋で乗り換えた場合と変わらない。しかも、日暮里以外に新橋、浜松町、品川のいずれかでもう1回乗り換えが必要になる。

 JR東日本の成田エクスプレスを利用する場合、所要時間は1時間30~40分ほどだ。乗り換えは最低でも1回は必要になる。

 これに対してリムジンバスの所要時間は75分と鉄道より速い。運行間隔は10~20分で乗り換えもなく、利便性は高い。空港ターミナルではバスと鉄道とで停車位置や停車順序が異なる。ケースによっては、バスのほうが30分以上速くなる。

 ただし、公道を走るので渋滞に巻き込まれる可能性があり、定時運行は保証しにくい。東京湾岸に沿って都心を避けるルートを走るものの、経由地には物流拠点などが多く、交通量は意外に多い。余裕をみて移動するとなれば、“遅い”鉄道と変わらなくなってしまう。