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 国立メディア芸術総合センターの建設中止が決まった。民主党が無駄遣いの象徴として、「アニメの殿堂」と批判してきた施設だ。

文化庁の検討会が基本構想として示した国立メディア芸術総合センターの外観イメージ。既存の美術館などを参考にして描いた。当初は09年10月ごろに設計者などを決めて、実施設計を始める計画だった(資料:文化庁)
文化庁の検討会が基本構想として示した国立メディア芸術総合センターの外観イメージ。既存の美術館などを参考にして描いた。当初は09年10月ごろに設計者などを決めて、実施設計を始める計画だった(資料:文化庁)

 民主党政権が2009年度補正予算の見直しを各省庁に指示したのは9月18日のこと。川端達夫文部科学相は22日、「新たに建物を建てる必要はない」と明言。文科省は10月2日までに、施設整備費として117億円を盛り込んでいた同センターの建設中止を含む総額2000億円規模の予算の執行を停止することを決めた。

 文化庁の国立メディア芸術総合センター設立準備委員会(座長:浜野保樹・東京大学大学院教授)は政権交代直前の8月26日、同センターの基本計画を作成した。そのなかでセンターの目的を以下のように記している。

 国立メディア芸術総合センターは、メディア芸術のすべての分野を対象に、収集・保存・修復、展示・公開、調査研究・開発、情報収集・提供、教育普及・人材育成、交流・発信などを行う国際的な拠点とする。メディア芸術とは、メディアアート、アニメーション、マンガ、ゲーム、映画など複製技術や先端技術などを用いた総合的な芸術である――。

 「ジャパン・クール」と国際的に評価される日本発のアニメやゲームなどは重要な産業であり、国を挙げて戦略的に育成すべき分野だと筆者は考えている。それでも、今回の建設中止はやむを得なかったという気持ちが強い。「まずハコモノの建設ありき」で予算が計上され、事業の進め方が拙速ではないかと感じていたからだ。