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 5月31日、東京ミッドタウンでパナソニックグループの記者発表が行われた。パナソニック、パナソニック電工、三洋電機の3社が共同で、太陽電池事業への本格参入を発表した。会場は取材の記者たちでごった返し、サテライト会場が用意された。

 発表の中心は三洋電機とのコラボレーション商品となる「住宅用太陽光発電システムHIT215シリーズ」。7月1日に発売するこの新商品について、パナソニックの坂本俊弘副社長は「太陽光発電システムは、パナソニックグループの重点6事業のフラッグシップであるエナジーシステムの中核となる技術。これまで他社製品に頼らざるをえなかったが、これで基本となる最後のピースをはめ込んだ形になる」と話した。

 パナソニックグループは、太陽光発電などの「創エネ」、オール電化を中心とした「省エネ」、家庭用蓄電池などを活用した「蓄エネ」という3段階で、住宅の商材をまるごと提案する戦略を打ち出している。太陽光発電はこの戦略の入り口となるものであり、今回の新商品により「家まるごとソリューションの基本骨格ができあがった」(坂本副社長)と位置づける。

 太陽光発電システムの国内出荷量は急激に伸びている。「2008年を基準にすると2009年実績は2.6倍に増えた。2012年は2008年の5.5倍まで伸びると予測している」(パナソニック電工の井戸正弘常務)。同社の予測では2012年の国内太陽電池出荷量は産業用・住宅用を合わせて130万キロワット近くに達し、住宅用だけでも100万キロワットを超える。パナソニックグループはこのうち35%に当たる45万キロワット分の販売を目指すという。

 住宅の太陽光発電をめぐっては、カネカが約100億円を投じた薄膜型太陽電池の新設備を前倒しで稼動させる計画を打ち出した。住生活グループはリクシルエナジーという新会社を設立。太陽光発電システムを入り口に住宅のCO2ゼロ化に向けた提案を模索し始めた。

 太陽光発電システムは建て主にとって、「エコ」を象徴するシンボルとして単なる創エネ設備以上の意味を持ち始めている。家づくりの呼び水となる可能性があるからこそ、太陽光発電システムをめぐったイニシアチブ争いは過熱している。

 「エコ」という新しい切り口は、家づくりの入り口を大きく変化させる可能性もある。地域の住宅会社や設計事務所は、これらの動きから目を離してはならない。

<訂正>タイトルの「加熱」は「過熱」の誤りでした。(2010年6月3日11時0分)