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部分を切り出す使い方も

 CASBEEに対する投資家の評価が上がらない一因として、「第三者認証」を受けた事例の少なさを指摘する声もある。CASBEEでは自己評価が可能なので、評価に参加する敷居自体は低い。半面、CASBEEで評価した建物は、自己評価のケースが多く、その内容に対する客観性に疑問が残るという見方も根強い。

 国内では、大規模な自治体を中心にしてCASBEEの導入が進みつつある。だが、そのスピードは決して速くない。CASBEEの評価が不動産評価に用いられる機会も限られている。

 評価結果がすべて数値として明らかになってしまう点が、発注者側の意欲をそぐ一因だという意見もある。既存物件などでは、まじめにCASBEEで評価すると、建物の評価がCASBEEでの真ん中の評価よりも悪くなることが少なくない。その結果、「不動産価値が低くなる」という懸念を持ち主に与えてしまうというわけだ。

 CASBEEの活用を広げるために、部分的な活用をしやすくするような運用改善を検討してみてはどうだろうか。例えば、評価項目のうち、発注者側が自信を持てる項目だけを切り出して、積極的に評価・公開できるような柔軟な運用ならば、この仕組みを使いたいと考える発注者も増えるのではないか。

 もちろん、「都合の悪いデータが見えなくなる」「建物全体の性能が分かりにくくなる」といったたぐいの問題の発生も考えられる。だが、厳密な総合評価を強調する現状の仕組みでは、中小規模や既存の建物が高評価を得ることは容易でない。発注者側が魅力を感じにくい仕組みである限り、スピード感を持った制度の普及は難しいだろう。

 建て主にとっても使い勝手がいいアイデアを提案し、建て主側が積極的に利用したくなるような仕組みを構築できれば、CASBEEが世界で参考にされる度合いが増えるかもしれない。