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建築士は弁護士や医師と同等に評価されているか


 演説は国民へのアピールを兼ねて、民主党が今後後押しを考えている医療や介護福祉、金融、農林業や観光などの成長戦略分野にかかわる職業や資格を重点的に挙げた、という穏当な見方もできるが、そうだとすると菅氏が重要と考えている分野には最初から建設・不動産分野は入っていない、と認めるしかなくなる。そうだとしても「行政書士」や「気象予報士」があって「建築士」が出てこない理由は説明できない。

 理科系出身者である菅氏は自身の持つ「弁理士」資格も挙げてはいなかったが、その目には「建築士」もあえて挙げるに値しない資格としてしか映っていなかったのかもしれない。建築設計・工事監理の独占資格である建築士は医師や弁護士と並び立つ国家資格であると自負している建築人は少なくないようだが、世間は果たしてそこまで評価しているだろうか。菅演説はそうした認識のギャップを図らずも突きつけてはいないだろうか。

 構造計算書偽造事件が発覚するより前だったと記憶しているが、筆者は公認会計士の人たちを前に“建築士の仕事”について講演したことがある。そのとき、「建築士の人たち、特に建築家を自称する人たちは“建築士は弁護士、医師と並ぶ三大資格”と主張している」と話したら、会場に“ホーッ”と驚きの声が上がったことを覚えている。

 講演の後で聴講者の一人がこう教えてくれた。
「私たちは、公認会計士は弁護士や医師と並ぶ三大資格だと説明しているんですよ」
苦笑いするしかなかった。クライアントはさぞかし様々な“三大資格”を説明されているのだろう。

 弁護士や医師に継ぐ三番目の権威ある国家資格はいったい何か。それこそ、機会があったら政府、新聞社や通信社が世論調査やアンケート調査に付して欲しいテーマだ。同時にウェブ上、特に専門サイトでアンケート調査をしたらどんな結果が出るのか、弁護士や医師がどう答えるかも含めて興味深い。