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3大地震の同時発生と時間差発生を比較

 次に、「東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクト」である。

 これは、文部科学省の委託を受けて、東京大学、東北大学、名古屋大学、京都大学、海洋研究開発機構が、2008年度から2012年度まで実施しているプロジェクトだ。そして、2009年5月に、「連動性を考慮した強震動・津波予測及び地震・津波被害予測研究」に関する2008年度の成果報告書を公表している。

 同報告書の「3.1. 連動型巨大地震による強震動の高精度予測」に、「南海地震、東南海地震、東海地震の時間差発生による津波の重ね合わせ」という項目がある。これは、巨大地震が数分~数十分の時間差で連動発生した場合には、津波の重ね合わせによって、波高を増大させる現象が広範囲で起きる恐れがあるとし、その影響を調べたものだ。

 その中で、「図14 南海・東南海・東海地震の同時発生の場合と、時間差発生の場合の最大津波高の違い」(22ページ)を示した。「Coast4」には、静岡県の新居町から神奈川県の逗子市までの津波高が記されている。黒線が同時発生の場合の津波高で、赤線が時間差発生した場合の津波高である。

 図によると、御前崎付近、すなわち浜岡原発付近では、時間差発生による津波高は11mに達しているように読み取れる。ただし、厳密に浜岡原発の位置かどうかは不確実な点もある。

 津波高が11mだとすると、海と浜岡原発の間にある、高さ10~15mの砂丘を超える恐れがある。つまり、中部電力による、「砂丘が津波を防護する機能を有している」とする主張は、見直しを余儀なくされることになる。

 同報告書は、「巨大地震の時間差連動発生は、地震と津波防災や災害応急対応の計画を考える上で重要である」(21ページ)と指摘している。