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 取材で知り合ったある工務店の社長から、1本の電話がかかってきた。「4年前に引き渡した新築住宅で、床材のトラブルが連続して生じている。意見を聞かせてくれないか」。電話の主は、青木工務店(神奈川県大和市)の青木哲也社長。筆者は7月末、青木社長の案内で問題の住宅を訪ねてみた。

 その住宅は、県南の海に近い高台に建っていた。2007年初めに完成した木造2階建ての2世帯住宅で親世帯は2人住まい、子世帯は幼い子供3人を含めた5人住まいという家族。建物の設計は住まい手の縁者の設計者がまとめて、青木工務店が施工した。親世帯と子世帯の2軒が東西に並んでつながる配置で、問題が生じたのは子世帯の2階にあるリビング・ダイニング・キッチン(LDK)だ。

 床材はある国内メーカーの合板フローリング(厚さ12mm)で、四方を本実加工したエンドマッチのタイプ。床にはパネル式電気床暖房を導入している。南と西に大きな開口部を設けて、視界一杯に海が見える広々としたLDKに入ると、室内の中央付近でフローリングの継ぎ目に黒っぽい染みのような変色があった。

子世帯2階にあるLDKの中央付近で床材に生じた黒い変色。継ぎ目部分から染みが拡がっているように見える。床材は合板フローリングで厚さ12mm。写真は10年8月末時点だが、筆者の訪問時もほぼ変わらない状況だった(写真:青木工務店)
子世帯2階にあるLDKの中央付近で床材に生じた黒い変色。継ぎ目部分から染みが拡がっているように見える。床材は合板フローリングで厚さ12mm。写真は10年8月末時点だが、筆者の訪問時もほぼ変わらない状況だった(写真:青木工務店)

子世帯LDKの室内。南と西に窓があり、写真の左手がキッチンだ。北側は隣室と隔てる壁と建具。写真の男性が青木社長で、4代目として工務店を経営する30代。指差した箇所付近の2m四方程度に変色が集中しており、突き上げに伴う材の浮きを補修した箇所もほぼこの付近だ(写真:日経ホームビルダー)
子世帯LDKの室内。南と西に窓があり、写真の左手がキッチンだ。北側は隣室と隔てる壁と建具。写真の男性が青木社長で、4代目として工務店を経営する30代。指差した箇所付近の2m四方程度に変色が集中しており、突き上げに伴う材の浮きを補修した箇所もほぼこの付近だ(写真:日経ホームビルダー)

 引き渡しは07年3月。青木工務店の記録によると、まず同年末に住まい手から、このLDKの一部で床鳴りがするとの連絡があった。年が明けた08年1月に自社で、応急的にビスを打って補修。一度は収まったが、その後、同年4月にかけて別の箇所でも床鳴りが発生。さらにフローリングの一部の継ぎ目に、突き上げも生じ、いずれも再び自社でフィニッシュくぎなどで補修した。

突き上げの例。写真中央付近がフローリングの縦方向の継ぎ目が盛り上がった箇所で、他の継ぎ目と異なり、差し込む外光にずれが生じているのがわかる(写真:青木工務店)
突き上げの例。写真中央付近がフローリングの縦方向の継ぎ目が盛り上がった箇所で、他の継ぎ目と異なり、差し込む外光にずれが生じているのがわかる(写真:青木工務店)

 この段階で同社は、この材を納品した木材販売会社に経緯と対応内容を知らせ、木材販売会社を通じてメーカーにも連絡。木材販売会社とメーカーの担当者を含めた3者で現場確認したうえで対策を協議した。同年8月までに、メーカー側が床鳴り対策として、問題の箇所でフローリングのサネ部を接着するなどの補修を実施。床鳴りは収まった。しかし09年1~3月にかけて、再び床鳴りと突き上げが生じたのに加えて、冒頭で紹介したような変色まで発生した。