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2次審査に進んだその他4案

 以下、2次審査に進んだ他の4案の提案内容をまとめた。それぞれの説明文は、公開プレゼンテーションをもとに要約したもの。

七つの浜をつなぐ『尾根』の学舎/遠藤克彦(遠藤克彦建築研究所)

 浜の復興は丘の再生が担っている。「尾根の稜線(建築)」と「尾根の街路(外部空間)」からなる「尾根の学舎」は、七ヶ浜の復興を象徴する施設となる。子どもたちの学習や交流の拠点となる教室やホームベースの屋根はフジツボのように空へと伸びる。「フジツボシェルター」の上部はトップライトになっていて、内部に自然光を導く。「尾根の街路」は七ヶ浜の知恵を集結する広場であり、7つの浜全体をつなぐ広域避難も兼ねた安心で安全な通学路として発展的に整備される。

「七つの浜をつなぐ『尾根』の学舎」の模型写真。設計は、遠藤克彦建築研究所の遠藤克彦氏(写真:磯 達雄)
「七つの浜をつなぐ『尾根』の学舎」の模型写真。設計は、遠藤克彦建築研究所の遠藤克彦氏(写真:磯 達雄)

地域で育む公園学校/三浦慎(三浦慎建築設計室)

 敷地全体を大きな公園と見立てることで、公園と学校施設が一体となった新しい公共空間を創出する。敷地を斜めに横断する軸を設定し、グリッド上に建物を配置していく。この配置によって明快なゾーニングと回遊動線が生じる。建物は浜をイメージした曲線の連なりで構成され、外部環境を最大限に取り入れるとともに、子どもたちの記憶に刻まれる形態を生み出す。外部に対して方向を持たないため、全方位に正面性を持つ。建物は8mスパンのラーメンとコアによる構造。一般的な構造形式にしてコストを抑える。

「地域で育む公園学校」の模型写真。設計は、三浦慎建築設計室の三浦慎氏(写真:磯 達雄)
「地域で育む公園学校」の模型写真。設計は、三浦慎建築設計室の三浦慎氏(写真:磯 達雄)

ひろばの中の学校/学校の中のひろば/酒井康介(酒井康介建築設計事務所)

 内部に分散配置された大小の正方形の「はこ」と、その間にできた「ひろば」によって構成される。「はこ」には、音楽室や準備室、WC、ホームベースなど機能的に閉じられた部屋が入り、「ひろば」には教室や図書室など開放性が求められる部屋があてられる。「ひろば」と「はこ」は場所に応じて高さを変え、その屋根面のズレを利用して自然光や風を取り入れる。たくさんの屋根が重なる集落のような柔らかい外観は、七ヶ浜の風景に溶け込む新たなランドマークになる。

「ひろばの中の学校/学校の中のひろば」の模型写真。設計は、酒井康介建築設計事務所の酒井康介氏(写真:磯 達雄)
「ひろばの中の学校/学校の中のひろば」の模型写真。設計は、酒井康介建築設計事務所の酒井康介氏(写真:磯 達雄)

子供たちのための小中一貫校をめざして/八重樫直人(ノルムナルオフィス)

 個々の教室が群として集まり、全体で緩やかなクアッドアングル(中庭)をつくり上げる構成。内側には2つのグラウンドが設けられる。壁式のRC造でつくられる教室は、様々な高さのキューブからなり、そこに家形が混じる。七ヶ浜の風景になじむ家の形が入ることで、冷たさと硬さが解消される。内部は、各学年のオープンスペース、ギャラリー、音楽の広場などをつなぐ「メディア回廊」が校舎の中を貫く。ここは日常的な子どもたちの居場所になる。

「子供たちのための小中一貫校をめざして」の模型写真。設計は、ノルムナルオフィスの八重樫直人氏(写真:磯 達雄)
「子供たちのための小中一貫校をめざして」の模型写真。設計は、ノルムナルオフィスの八重樫直人氏(写真:磯 達雄)