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「創造的復興」を掲げて広く設計者を募る

 七ヶ浜町では、東日本大震災によって被害を受けた町の施設を建て替えるにあたり、その一部を「創造的復興」と位置づけ、公募型プロポーザルの手法で全国から広く設計者を募っている。昨年11月には、七ヶ浜町遠山保育所の設計者を決めるプロポーザルを実施。今回はその第2弾となる。

 最優秀となった乾氏は、遠山保育所のプロポーザルで評価委員を務めていた。審査から2カ月あまりの期間で、設計者として参加できるようにしたことについて、応募の公平性という観点から、議論の余地はないのか、七ヶ浜町震災復興アドバイザーとして2つのプロポーザルに関わった小野田泰明氏(東北大学大学院教授)に回答をもらった。

小野田氏から寄せられた回答

 今回、七ヶ浜中学校のプロポーザルで、最優秀を取られた乾久美子さんは、偶然ではありますが、その前に同じく町が主催した遠山保育所のプロポーザルで、評価委員を務めておられました。しかし、保育所の審査を行った時点で、中学校をプロポーザルに出すことは決まっておりませんでしたし、関連する情報も厳重に管理されていました。

 実際の審査は町で行ったので、そこがどういう場所であるかについては知り得たとは思いますが、これは、この町を訪れたことのある人には、等しく共有されることでしょう。

 町としても、せっかく建物をつくるのだから、復興に資するよい建物にしたい。さらには、七ヶ浜町の復興に貢献したいという多くの人の思いの受け皿としたいということで、特例的に指名参加登録をプロポ前に受け付けるようにした経緯から、除外項目もできるだけ付けないようにするのは自明のことでした。また、中学校の改修が必要であったという件は、すでに町の復興計画上に明記され、周知の事実であるため、客観的に特定の人に有利に働くものでは、なかったと思われます。

 もちろん中学校の審査自体、高い公明性のもと、優れた評価委員が真摯に審査した結果で、対象者が町の評価委員だったという個人的な事象は、全く考慮されておりません。

 言うまでもありませんが、復興で負荷がかかった状態にある住民や自治体が、創造的提案を受け入れ、発展させていくのは、生易しいことでありません。それでも、そのように未来に踏み出そうと判断された、彼らの思いをこれからも温かくご支援頂ければ幸いです。

評価委員

  • 小嶋一浩(建築家、横浜国立大学教授、アーキエイド実行委員会委員)
  • 五十嵐太郎(建築評論家、東北大学教授)
  • 柳沢要(建築計画学者、千葉大学准教授)
  • 松本純一郎(建築家、JIA復興支援委員会委員長)
  • 鈴木朝二(七ヶ浜中学校校長)
  • 中津川伸二(七ヶ浜町教育委員会教育長)
  • 三浦一郎(七ヶ浜町建設課長)
  • 遠藤眞理子(亦楽小学校校長)

七ヶ浜町震災復興アドバイザー

  • 小野田泰明(東北大学大学院工学研究科教授)
  • 佐々木博明(宮城教育大学教職大学院准教授、七中・給食センター建設検討委員会委員)