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建築系学生の卒業設計展が花盛りだ。「せんだいデザインリーグ 卒業設計日本一決定戦」「Diploma x KYOTO」「赤レンガ卒業設計展」などは、それぞれ出展数が200を超えるビッグイベントとなっている。そんななか、またひとつ新たな卒業設計展が名古屋で始まった。「デザイン女子No.1決定戦」は、参加資格を女子学生に限定したユニークなイベントだ。

模型やパネルが並ぶのは結婚式場の宴会場として普段、使われているスペース(写真:磯 達雄)
模型やパネルが並ぶのは結婚式場の宴会場として普段、使われているスペース(写真:磯 達雄)

 「デザイン女子No.1決定戦 2012NAGOYA」を主催したのは、椙山女学園大学生活科学部の村上心教授が実行委員長を務める「デザイン女子No.1決定戦実行委員会」。応募資格は大学、短大、高専、専門学校に在籍する「女子」に限定する一方、ジャンルは建築だけでなく、インテリアやプロダクトなどにも間口を広げている。

 全国から63人のエントリーがあり、ポートフォリオによる1次審査を通過した29作品が、3月22日、23日の両日に展示された。会場は名古屋市昭和区にある「サーウィンストンホテル」内の結婚式披露宴会場。ところ狭しと並べられた建築模型やパネルは、巨大なシャンデリアや猫足の家具と同居している。今までに見たことがない卒業設計展の展示風景だ。

公開審査会の様子。審査委員も4人のうち2人は女性(写真:磯 達雄)
公開審査会の様子。審査委員も4人のうち2人は女性(写真:磯 達雄)

 3月23日には審査会が行われた。午前中に建築家の赤松佳珠子氏(CAtパートナー)を委員長とする審査委員会が会場で巡回審査。これを通過した7人が、各案を公開の場でプレゼンテーションし、その後の質疑応答とディスカッションを経て、No.1、No.2、No.3の3賞を選んだ。残りの4案には特別賞が与えられた。

 4人のうち3人の審査員が強く推して、すんなりとNo.1に決まったのは、慶応義塾大学の後藤理奈氏による「夜神楽三十三番」。宮崎県高千穂町の夜神楽の会場となる施設で、33の演目からなる神楽を集落の風景とともに体験できるよう、渦巻き形の空間を提案している。

 No.2は、これもすんなりと東北大学の鈴木さち氏による「産業の波間」に。これは東日本大震災で被災した宮城県石巻市の水産加工団地を、機械工業の研究開発機関やシーフードレストランなどと組み合わせた膜屋根の建築として提案したものだ。

 No.3に何を選ぶかは意見が分かれたが、最終的には岐阜市立女子短期大学の池田有衣氏の「魔法のベジタブック」に決定した。野菜を食べるのを嫌う子どもが、いつの間にか野菜を好きになる、絵本のような体験学習ツールだ。建築ジャンルにこだわらない卒業制作展であることが、審査結果にも現れた格好だ。

No.1に選ばれた後藤理奈氏(慶応義塾大学)の「夜神楽三十三番」(写真:磯 達雄)
No.1に選ばれた後藤理奈氏(慶応義塾大学)の「夜神楽三十三番」(写真:磯 達雄)

No.2に選ばれた鈴木さち氏(東北大学)の「産業の波間」(写真:磯 達雄)
No.2に選ばれた鈴木さち氏(東北大学)の「産業の波間」(写真:磯 達雄)

No.3に選ばれた池田有衣氏(岐阜市立女子短期大学)の「魔法のベジタブック~子供の野菜嫌い改善のための体験学習ツール~」(写真:磯 達雄)
No.3に選ばれた池田有衣氏(岐阜市立女子短期大学)の「魔法のベジタブック~子供の野菜嫌い改善のための体験学習ツール~」(写真:磯 達雄)