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 「第一回 平成建設学生設計提案競技」は、平成建設(本社:静岡県沼津市)の都内旗艦店となる世田谷支店の設計案を募る学生対象の実施コンペだ。審査員およびアドバイザーとして、建築家の富永讓氏と藤原徹平氏、長谷川豪氏が参加している。3月22日の一次審査で11組が選ばれ、審査員によるエスキス、5月末の二次審査を経て、4組に絞られた。6月9日には、ファイナリスト4組による公開プレゼンテーションと最終審査が行われ、各入賞者が選出された。

最優秀賞に選ばれた法政大学の大学院生によるチーム中村と審査員(写真:大家 健史)
最優秀賞に選ばれた法政大学の大学院生によるチーム中村と審査員(写真:大家 健史)

 公開プレゼンテーションを行った4組の中では、後半にプレゼンテーションした2組に注目が集まった。最優秀賞、それに次ぐ優秀特別賞もこの2組から選ばれた。

 最優秀賞に輝いたのは「つらなる長屋」。法政大学の大学院生である中村圭佑、図師和晃、和知祐樹の3氏による「チーム中村」が手掛けた。住宅スケールの空間を連ねることによって、働く場所としての「住みか」をつくる提案だ。特徴は、そのつくり方。日本の伝統的な木の文化を継承する平成建設が、現代の新しい技術である木質面構造に挑戦することで、日本の木造建築の可能性を広げることをアピールしようと考えた。

 ただし、この構法は、海外では戸建て住宅をはじめ、大型建築物にも応用されているが、日本では認定を受けていないため、前例がない。日本でも研究が進められ、来年の6月には、この構法を可能にするクロス・ラミネーテッド・ティンバー(CLT)をJAS規格化する動きもあるが、それでは間に合わないため、どのように実現するのかが今後の課題となった。

最優秀賞に選ばれた「つらなる長屋」の模型(写真:大家 健史)
最優秀賞に選ばれた「つらなる長屋」の模型(写真:大家 健史)

最優秀賞を受賞したチーム中村によるプレゼンテーション(写真:大家 健史)
最優秀賞を受賞したチーム中村によるプレゼンテーション(写真:大家 健史)

 優秀特別賞を受賞したのは、京都工芸繊維大学の大学院生である中野雄太、藤野真史、横井智行、前田文葉の4氏による「つなぐスキマと光のスキマ」。オフィスとショールームの明るさの違いに着目し、その間に光のグラデーションをつけた共有空間を設けることによって、社員と客がその空間を介して交わるような建築を提案した。

優秀特別賞に選ばれた京都工芸繊維大学の米田研究室による「つなぐスキマと光のスキマ」。一次審査通過案をガラッと変えて臨んだ(写真:大家 健史)
優秀特別賞に選ばれた京都工芸繊維大学の米田研究室による「つなぐスキマと光のスキマ」。一次審査通過案をガラッと変えて臨んだ(写真:大家 健史)

京都工芸繊維大学の米田研究室によるプレゼンテーション(写真:大家 健史)
京都工芸繊維大学の米田研究室によるプレゼンテーション(写真:大家 健史)