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 3.11以降の日本では、照明のあり方も変化するのか。大震災を経験するまでは豊かさを象徴するかのようにまちを明るくし、夜も眠らない都市をつくってきた。そんな価値観に一石を投じる映画「ザ・シティ・ダーク 眠らない惑星(ホシ)の夜を探して」(イアン・チーニー監督、米国、2011年)が8月11日から、東京都渋谷区のアップリンクX にて1週間限定のレイトショーで公開される。

「ザ・シティ・ダーク」のチラシ(資料:エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト)
「ザ・シティ・ダーク」のチラシ(資料:エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト)

 主催は、光について考える団体「エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト」。同団体の代表は照明デザイナーの岡安泉氏で、3.11の直後に「光のことを語るプラットフォーム」として有志とともに設立した。被災地を見て「とにかく人が住める場所にしなければならない。そのときに照明のあり方ってなんだろうと考え始めた」という。

 これまでは節電で暗くなりすぎた公共空間の調査などを行ってきた。その活動の一環として、この映画を日本に紹介することとなった。「震災以降の都市のいろいろなことに、議論を投げ掛けることができればいい」というのが同氏の企画意図だ。

 「ザ・シティ・ダーク」のチラシの反対面(資料:エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト)
 「ザ・シティ・ダーク」のチラシの反対面(資料:エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト)

明るいことは罪なのか――「光害」の真実

 「ザ・シティ・ダーク」は、環境や生物と明るさの関係を多角的な視点で捉えるドキュメンタリーで、米国の環境評価システムLEEDも重視するNPO国際ダークスカイ協会が推奨するものだ。

 この映画の大まかな内容は以下の通り。1879年にエジソンが電球を発明して以降、都市はどんどんと明るくなった。星空が見えなくなったこと、空の明るさが海亀や鳥の生態に与える悪影響、さらには深夜労働を可能としたことから人間の発癌にも影響を及ぼしていることなど「光害」をリポート。歴史学者や天文物理学者、照明デザイナーなど多分野にわたる専門家のインタビューも交え、人工照明のもたらす影響を分析する。

 しかし、単純に照明を否定するものではない。夜間照度が高いことで公園などの防犯効果があるなど、光の適切な使い方にも示唆的だ。

「ザ・シティ・ダーク」の予告編ムービー((C) A WICKED DELICATE PRODUCTION)