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ニッポン男前大工コンテストのパネル写真の撮影現場。撮影を依頼された大工は最初緊張した感じだったが、次第に表情が柔らかくなっていった(写真:日経ホームビルダー)
ニッポン男前大工コンテストのパネル写真の撮影現場。撮影を依頼された大工は最初緊張した感じだったが、次第に表情が柔らかくなっていった(写真:日経ホームビルダー)

 「はい、ちょっとそこで目線をこっちに」「じゃぁ今度は丸のこぎりを持って構えてみようか…」「そうそう、そのポーズ。いいねぇ」――。住宅の建築現場には似合わない言葉が飛び交う。通りすがりの人が見たら「ドラマの撮影?」と勘違いするかもしれないが、撮影しているのは実際に建築中の現場で、そこに立っているのは本物の大工だ。実はこれ、「ニッポン男前大工コンテスト」というイベントに向けた大工の写真撮影現場の一コマである。最初は気難しい顔をしていた大工も次第にノリが良くなり表情もにこやかになっていた。

 最近、取材で工務店を訪ねると、職人が不足しているという話をよく聞く。特に大工については状況が深刻で、「若い大工がいない」「募集しても来ない」「若者が大工になりたがらない」など、暗い話題が少なくない。大工の高齢化が進み、将来を担うつくり手がいなくなってしまえば、日本の木造住宅は大打撃を受けるはずだ。新築だけでなく、リフォーム事業にも影響を与えかねない。

 大工を取り巻く環境は良くない状況が続いている。先日、大工の手間賃などを調査したのだが、その結果を見ると、大工の賃金が年々減少していることが分かった(日経ホームビルダー12月号で調査結果を掲載予定)。大工などの喫煙や飲食マナーについて尋ねた調査結果では、顧客からの一定の理解はあるものの、手厳しい意見を言う顧客もいた。このような大工不遇の状況が続けば、いくら腕のいい大工でも萎縮してしまうだろう。

 では、日本の大工を盛り上げるためにはどうすればいいのか――。そんなモヤモヤとした疑問を抱えていたある日のこと、編集長から声がかかった。「誰か、大工の撮影現場に立ち会ってくれない?」。大工の撮影…。これは何かモヤモヤを解決する糸口になるかもしれない。思わず手を挙げていた。