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省エネ成果を光熱費に反映

 地上14階建ての横浜アイマークプレイスは2014年3月、横浜市内のみなとみらい21地区内に完成した賃貸オフィスビルだ。事業主の清水建設が設計・施工を手がけた。オフィスフロアの賃貸面積は、2階を除き各階5264m2から5614m2。「国内最大級のメガプレート」(新井田雅之・投資開発本部プロジェクト推進二部副部長)という階面積の広さを売りとする(図2)。

図2  高層階の基準階(14階)平面図
フロア貸しを前提とした高層階。吹き抜け周りをコミュニティースペースに利用できるようにしている。低層階では1フロアを6ブロックに分割できる(資料:清水建設)
フロア貸しを前提とした高層階。吹き抜け周りをコミュニティースペースに利用できるようにしている。低層階では1フロアを6ブロックに分割できる(資料:清水建設)

 環境配慮面では、中央に設けた吹き抜けのエコボイドが象徴的だ。9階以下は室内、10階以上は屋外となるボイドは、外光の取り入れや換気に利用する。低層階では執務スペースの空気を廊下経由でエコボイドに送り、エコボイド上部の排気ファンで屋外へ排出する。「ダクトが不要で、建設コストを低減できる」(五ノ井グループ長)というメリットもある。

 このほか、外周に回した水平の庇で南の日射を遮り、開口のLow-Eガラスのうち南面と西面は2回蒸着のLow-Eとして熱負荷の低減を図った。

 BCP(事業継続計画)の面ではまず、標高が低い立地条件を踏まえ、高潮や津波の被害を防ぐため地下階をなくした。2階の下に免震層を設け、その上に受水槽や変電設備を設置。非常用の上水を想定人員の2割に対して3日分蓄え、停電時の執務室用にも15VA/m2で72時間の電源を確保した。窓には手で開閉できる開口を設け、空調設備が停止しても換気できるようにした。

 新しい試みにも取り組んだ。1つは、省エネの見える化を活用した「テナントecoサポート」だ。

 各階6つに分割したエリアごとにecoモニターを設置するほか、テナント企業のパソコンでも各エリアのエネルギー消費量などを確認できるようにした。さらにテナント企業の管理者のパソコンでは、照明の照度や空調温度を調整するecoモードを選べる。例えば、標準照度500Lxの照明を300Lxや400Lxに、夏季なら26度を基本とする室温を27度や28度に設定できる。

 ecoモードを選択した時間に応じ、各テナントの光熱費を減額する仕組みも導入した。清水建設では、入居企業の光熱費を1フロアで年間最大100万円程度低減できると見込んでいる。

 2つ目は、横浜市が進めるスマートシティプロジェクトに参加し、電気自動車(EV)と蓄電池を連動させた電力供給システムを導入したこと。系統電源を使う平常時は、太陽光発電が生み出す電力をビルに供給し、リチウムイオン蓄電池にも蓄える。1階には急速充電器を設置、ここでEVへの充電も行える。一方、停電時は太陽光発電システムに加え、蓄電池やEVの車載蓄電池からもビルに電力供給する。