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 「今や、おいしいお店の情報は消費者が一番よく知っています。情報を集めて賢くなったんです。でも、建設・不動産の発注者はまだその域に達していない。もっと知の集積が必要です」

 こう語るのは、大和リース(本社・大阪市)の森田俊作社長だ。

森田俊作(もりた・しゅんさく)氏。1955年大阪府生まれ。79年大阪経済大学経済学部卒業、大和工商リース(現・大和リース)入社。取締役、横浜支店長、規格建築事業部長、流通建築リース事業部長などを経て08年4月、代表取締役社長に就任(写真:宮田 昌彦)
森田俊作(もりた・しゅんさく)氏。1955年大阪府生まれ。79年大阪経済大学経済学部卒業、大和工商リース(現・大和リース)入社。取締役、横浜支店長、規格建築事業部長、流通建築リース事業部長などを経て08年4月、代表取締役社長に就任(写真:宮田 昌彦)

 同社は2011年1月、災害発生直後の活動拠点などの用途を想定したコンテナサイズの緊急災害救援ユニット「EDV-01」を発表した。今のところ量産予定はないが、新しい提案を世に問うと同時に、ビジネス上の新しい「出会い」への期待もあった。

 「これを医療用ユニットとして使えないかという問い合わせが来た。そこから人的交流が生まれ、我々にとって新たな“知の集積”となった」(森田氏)と、成果も出始めている。

 大和リースは、PFI、リース、土地活用など、様々なスキームによるPPP(官民連携)の実績を重ねてきた。また、プレハブ建築大手でもある同社は、震災などの被災地にこれまで数多くの応急仮設住宅を供給している。

 こうしたビジネス上の経験を踏まえ、森田氏は「発注者としての自治体」に向けて次のように提言する。

 「自治体間で知の集積をするためのコミュニティーが必要ではないか」

 例えば自治体50団体が採用したA社のサービスがあるとする。全国には約1800の地方自治体があるので、シェアは3パーセント弱でしかない。ところがその程度の実績でも、他の自治体で次々と採用されていったりする。自治体間での知の集積が進めば、事業者選定の精度はさらに上がるはずだ。

2府5県で構成する関西広域連合では、広域防災、広域観光・文化振興、広域産業振興などの事務を実施する。道州制への移行は直接的な目的とはしていないが、本格的な広域行政の取り組みは、道州制導入の試金石とも言われている。
2府5県で構成する関西広域連合では、広域防災、広域観光・文化振興、広域産業振興などの事務を実施する。道州制への移行は直接的な目的とはしていないが、本格的な広域行政の取り組みは、道州制導入の試金石とも言われている。

 今後、都市をスマート化する動きが本格化してくると、自治体同士の情報収集や連携はさらに重要となる。

 森田氏は、次世代都市の進展について、こう予測する。

 「まずはマイクログリッド(複数の小規模発電施設による電力を、地域自給する電力供給網)が各地で立ち上がり、それらが連携していくだろう」

 そこでは、都道府県境をも越えたマイクログリッド間のスムーズな連携が必要だ。実現のためには「自治体間のコミュニティーを活性化し、そこから情報を拾い上げ、ジャッジメントする役割を誰かが担わなくてはならない」(森田氏)。とはいえ、国主導で自治体間の調整をする時代ではない。

 「だから早く道州制になればいいと思っているんです」と森田氏は言う。裏を返せば、マイクログリッドの導入をテコに、広域行政を進展させることも可能かもしれない。

※記事中の名称・肩書き・予定期日等は、初出時点(Project ECHO CITY Vol.001=2011年12月25日発行)のものです。