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 当社で実証中の「大船スマートハウス」(神奈川県鎌倉市)は、一週間停電しても電力を自立して供給できます。蓄電池は、定置型だけでなく、あえて電気自動車(EV)の蓄電池を併用しました。モビリティという自動車本来の機能を生かすためです。

 EVは、非常時には「移動できる電池」になります。医療、介護、福祉、高齢者といった弱者のいる施設に、優先順位を付けて電源を持って行けるのです。

PVとEV(など大容量蓄電池)を連携制御するパワーコンディショナーが、HEMSと連携して充放電をコントロール(資料:三菱電機)
PVとEV(など大容量蓄電池)を連携制御するパワーコンディショナーが、HEMSと連携して充放電をコントロール(資料:三菱電機)

EVを生かす街のデザインを

 つまり、EVを社会インフラとして位置付け、スマートハウスと連携させたわけです。実証ではEVを使いますが、PHV(プラグインハイブリッド車)でもよいでしょう。

 大規模停電が起こったとき、自分の家だけに電気が通っていることを喜べる人は、ほとんどいないはずです。本当に困っている人のところに電源を運んで助けたいと思うのではないでしょうか。

 そう考えると、街全体としてEVをどう活用していくのか、検討の必要がありそうです。住宅周り、駐車場、駅、病院などの建築物、人、そしてEVの関わりについて、新しい視点が求められます。

 一方、平常時に求められるのは、エネルギーの最適利用です。そのための技術検証も行います。蓄電池(定置型とEV搭載の蓄電池)と太陽光発電(PV)を組み合わせ、各家庭の生活パターンに対応して放充電を制御するHEMS(ホームエレクトロニクスマネジメントシステム)の効果を実証します。

 これらは将来、コミュニティー全体の中でエネルギー利用の最適化を図る際にも必要な技術となります。主役である家とEVとの間を取り持ちながら、持続可能なコミュニティーの理念を提案していきたいと思っています。(談)

佐々木 健(ささき たけし)
三菱電機 電材住設事業部長
佐々木 健(ささき たけし) 三菱電機にて家庭から業務用途の空調冷熱事業、電材・住設事業の営業、営業企画などを経て、2009年度より現職。電材・住設品の事業拡大、および、HEMSを中心としたスマートハウスの事業化ならびに市場導入・拡大を推進。(写真:北山 宏一)