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資金調達がネックとなって改修や開発が進まない不動産事業を、国がファンドに出資する形で支援する制度がスタートする。国費350億円と民間資金を合わせた総投資額は、1200億円から1300億円程度になるとみられる。


 政府の緊急経済対策として2012年度の補正予算に盛り込まれた「耐震・環境不動産形成促進事業」は、民間投資の呼び水となるリスクマネーを国が供給することで、老朽化不動産の改修や建て替え、未利用地の開発などを支援する事業だ。国土交通省と環境省が合計350億円を拠出する。

 支援の対象となるのは、(1)旧耐震ビルの耐震改修、(2)ビル全体のエネルギー消費量が改修前に比べて15%以上減る省エネ改修、(3)CASBEEでAランク以上となるビルへの建て替えや新規開発──など。原則として事業後の延べ床面積が2000m2以上のビルを対象とする。

 国はこれらの事業に直接、補助金を出すのではなく、ファンドマネジャー(不動産運用会社)を公募し、ファンドに出資するという形を取る。事業全体を管理、運営する基金設置法人として2013年3月、一般社団法人環境不動産普及促進機構(以下、促進機構)が選定された。

図は国土交通省の資料を基に日経不動産マーケット情報が作成
図は国土交通省の資料を基に日経不動産マーケット情報が作成

 事業のおおまかな流れを、上の図に沿って見ていこう。まず、国は補助金350億円を促進機構に交付する。促進機構は補助金を元に基金を設置し、民間からファンドマネジャーを公募する。公募時には投資計画の提出を求め、計画内容、ファンドマネジャーの業務遂行能力などを勘案して選定する方針だ。外部の有識者で構成する審査委員会を経て決定する。