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 鹿島は12月2日、同社のJVが宮城県石巻市で進めている東日本大震災のがれき処理業務において、約57万tという国内最大規模の土壌分級洗浄を実施し、洗浄後の生成物の100%リサイクルを実現したと発表した。同社JVは土壌洗浄を含むすべてのがれき処理を12月末までに完了するという。

 以下は発表資料。


国内最大級の分級洗浄処理がすすむ -石巻ブロック災害廃棄物処理-

洗浄処理後の生成物(洗浄砂、洗浄礫、汚泥)100%リサイクルを実現

 鹿島(社長:中村満義)は、宮城県石巻市において、東日本大震災で発生した災害廃棄物を処理する業務を宮城県からJVにて受託しています。この石巻ブロック災害廃棄物処理業務では、混合廃棄物から選別した「ふるい下」と津波堆積物について、分級洗浄法を用いてごみや特定有害物質などを除去し、土木資材として再生しています。海面の埋め立て材や復興工事の資材として活用することで、洗浄処理後の生成物(洗浄砂、洗浄礫、汚泥)は100%リサイクルを実現しました。

 これまでの国内最大規模となる、ふるい下と津波堆積物を合わせて約57万トン、1日当たり約2,000トンの土壌洗浄処理を行っており、今年12月末までに土壌洗浄を含むすべての災害廃棄物処理を完了する予定です。

石巻ブロックの土壌洗浄設備
石巻ブロックの土壌洗浄設備

 石巻ブロック災害廃棄物処理業務では、全体で約314万トンの災害廃棄物のうち、混合廃棄物や津波堆積物について、それぞれ選別や焼却、洗浄などの処理を行っています。

 混合廃棄物の中から選別された、「ふるい下」と呼ばれる細かな木片やごみが多く含まれる30mm以下の土砂と、津波堆積物(*)のうち特定有害物質に汚染された基準不適合のものについては、土壌洗浄設備にて分級洗浄法を用いた処理を行いました。

石巻ブロックでの廃棄物処理フロー
石巻ブロックでの廃棄物処理フロー

(*)津波堆積物  : 津波により海底から巻き上げられた砂や泥が陸上に運ばれて堆積したもの。
     主成分は海底や海岸の砂泥等であるが、木くず、金属くず、廃プラスチック等の
   廃棄物と渾然一体となっており、
     かつ、有機物や有害物質が混入している可能性もある。

分級洗浄法と災害廃棄物の洗浄について

 分級洗浄法とは、汚染物質が細かい土粒子(細粒)に多く吸着することから、機械的な洗浄によって土砂を粒度別に分級して汚染物質を分離する、土壌汚染の対策としては一般的な方法です。

 鹿島では、大規模な工場跡地などで重金属に汚染された土壌を浄化した実績がありますが、その際の処理量が多くても5万トン程度だったのに対し、今回石巻での処理量は約57万トンと、これまでにない規模の処理量であり、しかも1年半という短期間で洗浄処理する必要がありました。

 また、一般的な汚染土壌と違い、今回は災害廃棄物が対象であるため、処理物の性状が複雑な上に、予期せぬ混入物なども多く、様々な工夫を行いました。

分級洗浄後の生成物
分級洗浄後の生成物

石巻ブロックでの洗浄処理の概要

 石巻ブロックでは、ふるい下を処理する分級洗浄設備と、汚染された津波堆積物を処理する分級洗浄設備の2種類の施設を設置しました。いずれも分級洗浄処理の後、「洗浄砂」、「洗浄礫」、「汚泥」、「廃棄物(可燃物含む)」の4種類が生成されます。洗浄後の廃水は、水処理プラントを通じて循環利用しているため、場外へは排水されません。

 ふるい下のように細かな木片やごみを多く含む廃棄物には、比重差を利用する洗浄分級処理が有効でしたが、予想よりも比重、粒径、形状等のバラつきが大きいごみが含まれており、急きょこれらのごみを除去する機能を増設しました。

 津波堆積物に対しては、一旦分級機で除去した砂分を更にもみ洗い機に投入して、土粒子のこすりあい作用で砂分の表面に付着する細粒分を除去させるなど、分級精度を高める工夫を行いました。

ふるい下 洗浄設備
ふるい下 洗浄設備
津波堆積物 洗浄設備
津波堆積物 洗浄設備

 洗浄処理後の「洗浄砂」は、国交省の河川工事のサンドコンパクションパイルとして、「洗浄礫」と、汚泥を不溶化処理した「汚泥改良材」は、石巻港の海面埋め立て材としてそれぞれ再利用しました。通常、汚泥には有害物質が比較的多く含まれるため最終処分されますが、様々な添加剤の検討・試験により不溶化処理によるリサイクルを実現しています。

 土木資材として再利用する洗浄砂、洗浄礫、汚泥改良材はいずれも、石巻埋め立て基準及び土壌汚染対策法の特定有害物質の基準に適合していることが確認されており、洗浄処理により発生する生成物(洗浄砂、洗浄礫、汚泥)について、100%リサイクルを実現しました。
 また、可燃物は場内の焼却施設により焼却し、焼却により発生する主灰は造粒固化を行い、これも土木資材としてリサイクルしています。

土壌洗浄による生成物の再利用
土壌洗浄による生成物の再利用

今後の展開

 今回、これまでにない約57万トンもの災害廃棄物の土壌洗浄をオンサイトで短期間に実施したことで、除染工事等を含め、今後の大規模な土壌汚染案件への展開が図れると考えています。

 また、大量の廃棄物を含んだ土壌を分級洗浄処理した実績により、全国的な処分場不足が懸念されている中、廃棄物の減容化を図る技術への応用なども視野に入れ、今回のノウハウをもとに技術的な検討を進めることにしています。

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