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義務付けで広まる屋上緑化 効果の1つに雨水流出緩和

 まず屋上緑化の概要から説明しよう。普及の背景にあるのは、都市部でのヒートアイランド現象だ。

 2001年4月、東京都が屋上緑化の義務化に踏み切り、大きな話題を呼んだ。これは、建物を新築または増築する場合、屋上緑化を義務付けたもので、その動きは、2002年に兵庫県、2006年に大阪府、2007年に京都府と、他の自治体にまで広がった。

 東京都が自然保護条例で屋上緑化を義務付けたのは、敷地面積1000m2以上の民間建物と同250m2以上の公共施設。新築や増築する場合、屋上面積の20%または25%以上を緑化するように義務付けた。総合設計制度を活用する場合は、同じく30%または35%以上の緑化が義務付けられている。

 屋上の緑化面積はどの程度の規模に達しているのか。国土交通省の資料によれば、屋上緑化の施工面積は2013年までの暫定累計で383万m2に及ぶ。これは、10ha規模の総合公園38個分に当たる。非常に早いペースで屋上緑化は進んだ。公園・緑地は通常、用地を買収し確保する。そのやり方では国民 1人当たりの緑地面積がなかなか増えない中で、屋上緑化の義務化はその押し上げに役立った。

 屋上緑化の効果は、1つはヒートアイランド現象の緩和だ。日中、建物のコンクリートなどに蓄えられた熱が、夜間に放出されることなどから起きる現象を、屋上のコンクリートを緑で覆い、周囲の気化熱を奪う蒸散作用を働かせることで和らげる。国土交通省の試算によれば、省エネ効果も認められる。加えて防水層の保護効果や生物の生息環境を生み出す効果も見込める。

 さらに注目したいのが、雨水流出緩和効果だ。屋上に降った雨水をいったん貯めて、ゆっくり流出させる、ダム効果である。雨水をすぐには下水や河川に流出させない効果があるわけだ。