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質問攻めで相手を知り 喜んでもらえる提案につなげる

 次は、プロポーザルを勝ち取った事例を紹介したい。広島県尾道市の海辺にある古い倉庫の活用法を、事業計画とセットで提案するプロポーザルだった。ここで着目したのは、自転車だった。尾道は、瀬戸内海を横断するサイクリングロード「しまなみ海道」の本州側の起点に当たり、国内外から多くの人が訪れる。観光地としても有名だが、大半が日帰り客なので、地元はあまり潤っていない。

 そこで、滞在型の拠点として、宿泊施設を中心に、レストラン、カフェ、物販店舗などを計画した。宿泊施設は、サイクリストが大切にしている自転車の手入れをしたり、客室に持ち込んだりできるような「ホテルサイクル」とした。また、地元の住民にも親しんでもらえるようにベーカリーも入れた。こうした提案がプロポーザルで評価され、2014年3月に「ONOMICHI U2」としてオープンした。今、かなり盛況なので、ぜひ訪ねてみてほしい。

2014年3月にオープンした「ONOMICHI U2」。古い海辺の倉庫の活用法として、サイクリストが利用しやすい宿泊施設を始め、レストランやベーカリーなどの入る複合施設を提案した(写真:生田 将人)
2014年3月にオープンした「ONOMICHI U2」。古い海辺の倉庫の活用法として、サイクリストが利用しやすい宿泊施設を始め、レストランやベーカリーなどの入る複合施設を提案した(写真:生田 将人)

(写真:生田 将人)
(写真:生田 将人)

 プレゼンがうまいのかどうかを自分で判断するのは難しいが、私の最大の強みは「人が好き」なことだと考えている。だから提案を求めてきた人には、洋服や音楽の趣味など仕事とは関係のないことまで、とにかく質問を浴びせて聞きまくる。そうするうちに、相手の価値観が浮かび上がってきて、こういうテイストならば喜んでくれるのではないかという提案の方向性が見えてくる。

 相手の心をつかむプレゼンをするためには、相手に最大限に喜んでもらいたいという気持ちが大切なのではないか。みなさんも、いろいろな物事を根本から問い直し、考え続けることを楽しんでほしいと思っている。