築年数が古いマンションは、トイレが狭いばかりか、トイレ内に排水たて管がある場合が多く、一般的な洗浄レバーが側面にある便器では洗浄レバーが排水たて管に干渉して設置できなかったり、レバー操作がしにくいというケースがあった。

また、階下の天井とトイレ床との隙間距離が短いために便器からの排水管が床下ではなく床上にある場合が多く、床から排水の取り出し口の高さが155mmのものが大半だ。
排水芯高さを155mmにすることで、膨大なストックからの簡単取替(既設排水管を流用)工事を可能にし、さらにタンク幅を絞り洗浄レバーの方向を選べるようにすることで、トイレ内の排たて立管との干渉を防いだ。
リモデル(増改築)後のトイレ掃除を簡単にするための工夫として、便器のフチ裏部分をなくした"フチなしトルネード洗浄方式"を採用したほか、洗浄水量も大6リットル小5リットルと取替対象品である従来の洗い落とし便器と比べ、約22%の節水となる。また、従来便器に比べて洗浄音が静かで、居室とトイレが近い場合でもトイレの洗浄音が気にならない。
築15年以上の分譲マンションの市場ストックは、首都圏を中心に現在全国で約200万戸。最近は中古住宅を購入し、水まわり全てを自分好みの空間にリモデルされる消費者が増えている。