Q:マンション標準管理委託契約書は、新会社法が制定されたにもかかわらず2003年4月当時のものから改定されていません。“会社整理”の文言の扱いなど、判断に迷うところがあります。改訂の見通しはどうなっているのでしょうか。
A:ご相談にあるように、2005(平成17)年の会社法制定に当たり、法的倒産手続のうちの『特別清算』を見直すことをもって『会社整理』は廃止されました。
『中高層共同住宅標準管理委託契約書』は、マンションの管理委託契約にかかわる標準的な管理委託契約書の指針として、1982(昭和57)年に作成されました。その後、約20年が経過した01(平成13)年の『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』(以下、『適正化法』)施行に伴って見直しを行い、03(平成15)年に『マンション標準管理委託契約書』(以下、『標準管理委託契約書』)と名称を変更して改訂されました。
『適正化法』第3節の業務の中に、72条、73条として「管理委託契約」について触れており、同法附則8条では、「政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」としていますので、法改正検討に伴って『標準管理委託契約書』の改訂も視野に入っているものではないかと思います。
しかし、『標準管理委託契約書』はあくまでも委託契約書の“ひな型”として策定されたものですので、その改訂の有無にかかわらず、管理会社との契約に当たっては、それぞれのマンションの状況に応じて修正して活用しなくてはなりません。
マンションの維持管理の主体は管理組合であり、「管理会社の熱意(レベル)は、管理組合の熱意(レベル)に合わせたものとなる」ともいいます。管理会社主導となる「管理委託契約」も見受けられますので、契約条項にある不明な部分については、契約を締結する前に管理会社に確認する必要があります。
なお、国土交通省では、マンション管理業者、宅地建物取引業者など20分野の事業者を対象として「行政処分」「指名停止」などの「ネガティブ情報」を検索できるサイトを開設しているので参考にしてください。