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Q: 築29年30世帯のマンションです。居住者の高齢化が進み、4世帯は独り暮らしをしています。
組合運営はこれまで有志が集まってなんとか行ってきましたが、いよいよ役員候補者も見当たらなくなりました。管理費の滞納も2件、約50万円あり、そのうちの1件の住戸は6カ月ほど空室の状態です。多くの居住者の経済状態もよいとはいえず、先々がとても心配です。
今後の対策として何かよい知恵はないでしょうか。

A: ご相談者にお答えする前に、マンション(集合住宅)を取り巻く現況について整理します。
国土交通省は、概ね5年ごとにマンション総合調査を実施し、今後の住宅政策を検討する基礎データーとして活用しています。2008(平成20)年は実施年に当たり、任意抽出の全国約4500の管理組合と同マンション居住の区分所有者約9300人を対象に、目下、調査が行われているところです。
直近では、2003(平成15)年に実施されています。5年前の調査結果ですので古いと思われるかもしれませんが、今日現在マンションの現場で起きている諸問題を、既に5年前に的確に提示していますので、以下にご紹介します。

◆マンション管理の現段階における問題・課題について
回答が多い順では、(1)役員のなり手不足、(2)管理組合活動に無関心な者の増加、(3)ルールを守らない居住者の増加、(4)管理費等の滞納者の増加、(5)修繕積立金が不足している――です。
◆管理組合における将来への不安について
回答が多い順では、(1)区分所有者の高齢化、(2)管理組合活動に無関心な区分所有者の増加、(3)賃貸住戸の増加、(4)居住ルールを守らない居住者の増加、(5)修繕積立金の不足――です。

マンション総合調査では、マンション管理の最大の問題は「区分所有者の無関心」であり、それが原因となって、管理組合における様々な問題と課題を発生させていると報告しています。
総じていえることは、(1)高齢化、賃貸化等の進行や居住者の無関心層の増加などを原因とする管理組合の活動の停滞、(2)諸事情により建物や設備等の維持管理を業務委託できない管理組合の専門的対応力の低下――などにより、区分所有者だけではマンションを適正に維持管理していくことが困難な状況になりつつあることです。
おそらく、03年調査で「将来への不安」とされた事項は、今年の調査報告では「現実かつ深刻な問題」として示されることでしょう。

小規模で築年数が30年を経過するマンションの将来の最悪のシナリオを描いてみると、
(1)時間の経過とともに人間はさらに高齢化し、建物も老朽化する
(2)管理会社はお荷物と思われるマンションから手を引くことで、維持管理が行われなくなる
(3)役員のなり手がいないので、管理組合運営が停滞する
(4)賃貸化が進み居住者間の顔と顔がつながらなくなる一方で、転居できない・動けない少数の区分所有者が残る
――ということになると思われます。

このように、経年劣化した小規模マンションが最悪のシナリオをたどらないようにするために、どのような対策が想定されるか、以下で考えてみましょう。