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外装デザインもコンペ

 完成した建物はバルコニーを外装のアクセントとしている。だが、このバルコニーは、外装デザイン次第で、バルコニーがなくなったり、今よりも少ない規模に収まったりしていたかもしれない。パレスホテルがホテル棟の設計コンペの後に、外装デザインの国際コンペを実施していたからだ。外観デザインでも国際的に有名なホテルにしたいという思いがあった。

 国際コンペに集められたのは、最終的に外装デザインを担った三菱地所設計のほか、米国の大手設計事務所であるコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)やスキッドモア・オウイングス・アンド・メリル(SOM)といった顔ぶれ。「我々のプランは外装まで含め、すべてが一体となって完成する。外装デザインのコンペでも負けるわけにはいかなかった」と大草氏は振り返る。

 三菱地所設計がパレスホテルからの評価を勝ち取った外装デザインは、和田倉堀に面する南側の客室部分を雁行型にするというものだ。客室にバルコニーを付けるからといって、マンションのような印象ではパレスホテルの目指す高級感のあるホテルにならない。皇居外苑を訪れる人々に圧迫感を与えるわけにもいかない。こうした課題を解決する手法としての提案だった。雁行型に配置しても、バルコニーそのものや客室間の間仕切りを工夫すれば、他の客室が見えることはない。バルコニーによって横の曲線が外装デザインの特徴にもなる。

 パレスホテルの小林節社長は、「コンペを通じて三菱地所設計との関係がより深まった」と、今回の建て替え事業を振り返る。そして、こう続ける。「バルコニーをはじめとして、全く新しいホテルとして生まれ変わった。良い評判をもらえるホテルにしていきたい」

基準階平面図
基準階平面図

配置図
配置図

パレスホテル東京/パレスビル

  • 所在地:東京都千代田区丸の内1-1-1
  • 主用途:ホテル・事務所
  • 地域・地区:商業地域、大手町・丸の内・有楽町地区地区計画区域、特例容積率適用地区
  • 建ぺい率:70.1%(許容80%)
  • 容積率:1145.78%(許容1300%)
  • 前面道路:北面永代通り側36.56m、西面内堀通り側35.42m
  • 駐車台数:350台
  • 敷地面積:1万440m2
  • 建築面積:7319m2
  • 延べ面積:14万302m2
  • 構造:S造(地上)、SRC造(地下)
  • 階数:地下4階・地上23階
  • 基礎:直接基礎
  • 高さ:最高高さ114.9m、軒高110.7m、階高3.65m(ホテル棟基準階)・4.35m(オフィス棟基準階)、天井高3.0m(ホテル棟基準階)・2.9m(オフィス棟基準階)
  • 主なスパン:9.6m×12.3m(ホテル棟)、7.2m×18.9m(オフィス棟)
  • 発注者:パレスホテル
  • 設計・監理者:三菱地所設計
  • 設計協力者:ソラ・アソシエイツ(照明・外構)、井原理安デザイン事務所(サイン)、GAデザイン・インターナショナル、メック・デザイン・インターナショナル、デザインポスト、A.N.D、GJF(以上ホテル棟内装)
  • 施工者:大林組
  • 施工協力者:新菱冷熱工業(空調)、須賀工業(衛生)、きんでん(電気・ホテル棟)、東光電気工事(電気・オフィス棟)、オーク設備工業(消火)
  • 設計期間:2007年3月~09年7月
  • 施工期間:09年8月~12年4月
  • 開業・開館日:12年5月17日(ホテル棟)
  • 工事費:約550億円