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街路からの見守りは確保したいが、部屋の中はのぞかせたくない。住宅設計者の悩みどころだろう。室内空間の快適さと防犯性能の両立が評価された実例を、愛知県の防犯住宅コンテスト受賞物件から紹介する。

 住宅を狙った「侵入盗」の認知件数が、2007年から5年連続ワースト1という不名誉な記録を持つ愛知県(図2-1)。特に夜間の忍び込みに限ると、11年連続ワースト1となる。被害の7割が戸建て住宅を狙ったものだ。

図2-1 ワースト1脱却を目指す
2009年から11年の「住宅侵入盗」認知件数の都道府県別ワースト5。全国の件数が減っている中、愛知県は高い水準で推移している(資料:警察庁)
2009年から11年の「住宅侵入盗」認知件数の都道府県別ワースト5。全国の件数が減っている中、愛知県は高い水準で推移している(資料:警察庁)

 同県では04年に「安全なまちづくり条例」を施行し、住民や住宅関連の事業者、行政など様々な立場の人々が、総掛かりで防犯に努める方針を打ち出した。08年には県の防犯協会連合会と建築住宅センターによる防犯優良マンション認定制度の運用を開始するなどしてきたが、戸建て住宅への対策が後手に回っていた。

 そこで09年、愛知県警察と愛知県は共同で「防犯住宅コンテスト」を開始した。防犯性能の高い県内の戸建て住宅を表彰することで、住宅に対する防犯意識を高める狙いだ(図2-2)。名城大学理工学部建築学科の高井宏之教授を審査委員長として、建築・都市系の学識経験者や県の防犯協会連合会理事などが審査に当たる。

図2-2 防犯性と住みやすさの両軸で評価
愛知県と愛知県警察が共催する防犯住宅コンテスト。防犯性能と住宅としてのデザインの両面を審査の対象とする(資料:愛知県警察)
愛知県と愛知県警察が共催する防犯住宅コンテスト。防犯性能と住宅としてのデザインの両面を審査の対象とする(資料:愛知県警察)

 審査では、開口部が一定レベル以上の防犯性を満たしていることに加え、建物の構成や外構の設計を工夫して、敷地や地域の特性にうまく対応した防犯対策となっているかを問う。「極端なことを言えば、窓をなくせば物理的な侵入は防げる。だが、そういう家は住みにくくなる」と、愛知県警察本部生活安全部の中島賢警部補は評価のポイントを述べる。