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金沢市に拠点を置くタカラ不動産の小村利幸社長は、若手に仕事を任せることで改修事業を軌道に乗せた。次の世代に事業を委ねる理由とその効用を聞いた。
(聞き手は本誌副編集長、浅野 祐一)

タカラ不動産の小村利幸社長(写真:山岸 政仁)
タカラ不動産の小村利幸社長(写真:山岸 政仁)

─数年ほど前から賃貸住宅のリノベーション事業に力を入れ始めたのはなぜですか。

小村 地方の賃貸住宅では空室が増えてきて、悩ましい状況にありました。何とか空室を埋めなければ─。背水の陣で挑んだのがリノベーションだったのです。

 地球の資源を大切にするといった社会的要請からも、ストックを生かすことが求められています。日本はスクラップ・アンド・ビルドを続けていて、米国や英国などと比べて住宅の(機能面での)耐用年数があまりにも短い。これからは、50年や100年といったスパンで使っていかなければ。

 完成時点の建物に似た見た目を取り戻すだけの簡易な改修では、耐用年数はあまり延びない。コストを渋って短い耐用年数に甘んじるのではなく、きちんと投資して耐用年数をより長くする方が、オーナーの収益改善にも寄与します。

 消費者のライフスタイルは多様化し、個性的なものを志向するようになってきました。きれいにするだけでは、ほかにも似たような物件が存在し、競争力が出ません。住宅のあり方も、人の暮らしに応じて変わっていかねばならないのです。

 改修では付加価値をしっかり付けていくことが大事です。賃料は物価の下落以上に落ち込んでいます。「貸しても赤字」という物件が出ていますが、これではいけない。リノベーションで部屋の価値を高めて賃料を上げる。そんな流れに変えなければ。価値が高ければ価格が高くても売れます。ニーズはあるのです。