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 本格的な普及期に入った太陽光発電で、低価格競争から脱却するため、保証制度で差異化しようとするメーカーが出始めた。

 国内最大手のシャープは7月1日、同社の住宅用太陽光発電システムを対象に「まるごと15年保証」する制度を国内で初めて導入した(写真1)。太陽光パネルから架台、パワーコンディショナー、電力モニター、ケーブルまで関連機器を一括して15年間保証する。さらに、パネルの公称最大出力の下限値に対して、1年目から10年目までは90%、11年目から15年目までは85%の出力も保証する。

写真1 システム全体をまるごと保証
シャープは「まるごと15年保証」で新規需要を掘り起こす。機器の故障率など過去の統計データを踏まえつつ、顧客が納得できる保証料を定めたという(写真:日経アーキテクチュア)
シャープは「まるごと15年保証」で新規需要を掘り起こす。機器の故障率など過去の統計データを踏まえつつ、顧客が納得できる保証料を定めたという(写真:日経アーキテクチュア)

 システム容量が3kW以上4kW未満のパネルを設置した場合、購入時に1万5960円の保証料を一括で支払ってもらう。15年間のうちに機器の修理や交換が必要となった場合、部品代に加えて作業代もシャープが負担する。回数や金額の上限は設けない。ただし、取り付け工事を原因とする雨漏りなどのトラブルは対象外で、施工会社が基本的に責任を負う。

 シャープを含む国内メーカーの多くは、従来からパネルなどに10年間の保証を無償で付けてきた。ところが、一般的な住宅にパネルを設ける場合、自治体の補助金がない地域では、初期投資を売電収入などで回収するまでに10~15年かかる。もし10年間の保証が切れた後で故障すると、修理費用を顧客が負担しなければならず、回収期間が延びる恐れがあった。シャープは保証の充実で顧客の不安を解消し、新規需要を掘り起こす。

 一方、太陽光パネルの設置による違反建築物が増えているため、国土交通省は特定行政庁などに注意を呼び掛けている。

 パネルは建物の高さに算入され、斜線制限などを受ける。しかし、既存の建物の屋上にパネルを後付けする際は建築確認が不要なため、違法行為が目立っていた(写真2)。

写真2 パネルが斜線制限に引っ掛かる
南向きに取り付けた太陽光パネルが、北側からの斜線制限に違反している恐れのある住宅の例(写真:日経アーキテクチュア)
南向きに取り付けた太陽光パネルが、北側からの斜線制限に違反している恐れのある住宅の例(写真:日経アーキテクチュア)

 同省はパネルが建築設備に該当し、建築基準法に適合する必要があることを明記した技術的助言を7月に出した。LIXILが高さ制限の厳しい低層住居専用地域向けにパネルの立ち上がりを抑えた架台を発売するなど、メーカーの対応も始まっている。