PR

 東京都内にある全マンションのうち、2割弱に当たる約2万4400棟が1981年以前の旧耐震基準で設計された建物であり(図1)、耐震改修の実施率は、分譲マンションで5%、賃貸マンションで3%に過ぎない─。こんな事実が都の調査で明らかになった。

図1 2割弱が旧耐震基準で設計
東京都の資料を基に日経アーキテクチュアが作成
東京都の資料を基に日経アーキテクチュアが作成

 都は昨年度、これまで明確でなかった都内全域のマンション数について、登記簿や東京消防庁のデータなどを基に調査した。その結果、全マンション数は約13万2600棟であることが判明(図2)。そのうち、分譲マンションは約5万2600棟、賃貸マンションは約8万棟であることも分かった。

図2 東京都内にはマンションが約13万2600棟ある
東京都への取材を基に日経アーキテクチュアが作成
東京都への取材を基に日経アーキテクチュアが作成

 併せて、分譲マンションの管理組合と賃貸マンションのオーナーを対象にアンケート調査を実施。建設年や耐震化の進捗状況などに関する回答を求めた。回答率は約25%だったが、回答のなかったマンションについても現地を訪れ、全棟調査した。

 耐震改修と同様に、耐震診断の実施率も低い。分譲で約20%、賃貸で約10%しか実施していない。こうした状況について都都市整備局の担当者は、「診断結果が悪かったときに資産価値が下がることを恐れて、耐震診断に踏み切れないオーナーや管理組合が多いのではないか」と推測している。

 一般に長期修繕計画には耐震改修を組み入れていないため、耐震改修費を修繕積立金で賄えない。区分所有者が、修繕積立金以外の予期せぬ出費を拒否する例も少なくない。また、分譲マンションでは、区分所有者の2分の1ないし4分の3以上の合意がなければ、耐震改修を行えないという事情もある。