PR

吹田市立博物館(大阪府)で開催された「ニュータウン半世紀展」。当初2012年11月25日までだった会期を13年1月20日まで延長した。ニュータウンの展覧会を通じて生まれた様々な交流を続けたかったからだという。

 吹田市立博物館では、地元・千里ニュータウンの団地パーツの収集を進めています。住棟番号やダストシュート、ドア、住戸番号、壁面の一部などです。2013年1月まで開催していた「ニュータウン半世紀展」でも収蔵品の一部を展示しました(写真1)。

写真1 現代史に位置付けられたニュータウン
吹田市立博物館で開催されたニュータウン半世紀展(2012年10月13日~13年1月20日)の様子と、常設展示の団地パーツ。A:1960年代の団地住戸での暮らしの様子を再現した模型を展示 B:内風呂がなかった開発当初の千里ニュータウンで大ヒットした簡易型ユニットバス「ほくさんバスオール」(エア・ウォーター蔵)。小さな浴槽に蓋をしてその上に座って体を洗う仕様だった C:計画段階の図面(写真は1958年頃に描かれた地区施設計画模式図。日本建築学会近畿支部設計・計画部会蔵)の展示 D:常設展示されている大阪府住宅供給公社藤白台団地の住棟番号(写真:A、Bは吹田市立博物館、C、Dは日経アーキテクチュア)
吹田市立博物館で開催されたニュータウン半世紀展(2012年10月13日~13年1月20日)の様子と、常設展示の団地パーツ。A:1960年代の団地住戸での暮らしの様子を再現した模型を展示 B:内風呂がなかった開発当初の千里ニュータウンで大ヒットした簡易型ユニットバス「ほくさんバスオール」(エア・ウォーター蔵)。小さな浴槽に蓋をしてその上に座って体を洗う仕様だった C:計画段階の図面(写真は1958年頃に描かれた地区施設計画模式図。日本建築学会近畿支部設計・計画部会蔵)の展示 D:常設展示されている大阪府住宅供給公社藤白台団地の住棟番号(写真:A、Bは吹田市立博物館、C、Dは日経アーキテクチュア)

 この展覧会を通じて、様々な交流が生まれました。

 まず、企画自体を市民による実行委員会形式で進めました。学芸員は事務的なサポートに徹しており、ここまで市民主体で進む例は全国でも珍しいと思います。

 一方的に情報提供するのではなく、展示室自体も参加型にしました。神戸女子大学の協力を得て60年代の団地暮らしを再現した模型は、当時の記憶が残る来館者の意見を取り入れて会期中にどんどん手を加えていきました。

 また、交流員を会場に張りつけて、展示を見たことで記憶がよみがえった来館者から当時の話を聞き、日誌に毎日残していきました。

 日本建築学会近畿支部には、ニュータウンの計画段階の図面を出品していただきました。関連する約200点の図面のデジタルデータも、博物館が自由に使えるように提供していただいた。

 企業との交流も進みました。開発当初、内風呂がなかった千里ニュータウンの府営住宅では、簡易型ユニットバス「ほくさんバスオール」(写真1-B)が流行しました。展覧会の評判が良かったこともあり、所蔵企業(エア・ウォーター)から、会期後も長期貸与していただけることになりました。