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「住宅内をどうしようと私の勝手でしょう」。住宅の建て主はそう考えがちだ。それを正しく諭すのが設計者の役目。だが、造り付け家具や階段については、設計者自身が誤解しているケースも目に付く。

─前回、健康を守るための採光と換気のルールを学びました。今回はまず、室内で使える建材について教えてください。

本多徹(以下H) 建材には目的の異なる2種類のルールがあります。1つは建築基準法28条の2に規定される衛生管理を目的としたシックハウス対策、もう1つは法35条の2に定められた防火を目的とする内装制限です。

草刈直子(以下K) シックハウス対策は2003年に施行されました。住宅だけでなく、居室(前回参照)があるすべての建築物について、健康に害を及ぼす恐れのある化学物質のうち、クロルピリホスは使用を禁止し、また、ホルムアルデヒドを発散する建材については、使用面積を制限しています。この場合の使用面積とは、床面積ではなく部屋全体の表面積です。

H シックハウスの原因物質はほかにもいろいろありますが、調査研究の進んでいる2物質のみが規制の対象になっています。とはいえ、化学物質を発散するのは建材だけではありません。家具など、建築後に居住者が家に持ち込むものからも化学物質が発散されます。そこで、建材の規制に加えて、前回触れた24時間換気が義務付けられているわけです。

─建築基準法は、家具には材料の規制はかけられないのですね。では、造り付け家具はどういう扱いになるのでしょうか。

K 建築物に固定されている家具は建築物に含むと考えます。当然、造り付け家具もシックハウス対策の対象になります。家具ならば何の材料を使ってもいい、ということにはなりません。