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相続税の課税対象が拡大

 国が課税対象の拡大を図るのは、相続税を支払う人が年々減っていたからだ。

 1年間に亡くなった人のうち、相続税を課税される被相続人の割合を「相続税の課税割合」と言う。地価下落に伴い、課税割合は低下する一方だった。ピークの1987年には7.9%だったが、2010年には4.2%と3.7ポイント低下している。国はその引き上げを図るため、「基礎控除額の縮小」を打ち出した。

 相続税は、相続財産の総額から基礎控除額を引いた金額に対して課税される。基礎控除額が縮小されれば、相続税を支払わなければならない相続人は増える。法案が成立すれば、この基礎控除額が15年1月1日以降、現行の6割になる(図2)。

図2 税制改正で相続税を支払う人が増える
(資料:日経アーキテクチュア)
(資料:日経アーキテクチュア)

 配偶者と子ども2人の法定相続人がいて、路線価が40万円/m2の地域で150m2の土地を所有している場合を考えてみる。従来は、8000万円(=5000万円+1000万円×法定相続人数3人)の基礎控除額があり、この土地の相続税評価額6000万円(=40万円/m2×150m2)だけでは、基礎控除額に届かなかった。土地以外の財産額が2000万円以下であれば、相続税を課税されなかった。

 ところが改正後は、基礎控除額が、4800万円(=3000万円+600万円×法定相続人数3人)となる。この土地の評価額でも、相続税の課税対象になる。

 路線価が40万円/m2と言えば、世田谷区の一般の住宅地レベルだ。そこに150m2程度の規模の土地を持っているだけで、相続税の課税対象になる。東京23区内など、都市部の地価の高いエリアに自宅や土地を持っている人の3~4割が、相続税の課税対象者になると予想されている。