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二世帯住宅が相続に有利

 それでは最終的な相続税の金額はどの程度になるのか。複雑なので計算過程は省略するが、不動産と預貯金などからなる相続財産の総額が6000万円で、相続人が妻1人、子ども2人の場合、子ども1人当たりの納税額はおよそ30万円程度が目安になる。相続財産の総額が8000万円なら、それは87万5000円程度だ(図3)。

図3 相続税制改正後の納税額の目安
(資料:アークブレイン)
(資料:アークブレイン)

 節税対策の1つとして考えられるのが、「小規模宅地等の評価減の特例」(以下、小規模宅地の特例)の適用だ。これは、親などの自宅敷地を相続するときに一定の条件の下で、居住用宅地について相続税評価額を8割減にできる制度だ。

 これまでは、減額対象となる居住用面積は240m2までだったが、改正後は330m2まで緩和される。

 ただし、配偶者と子どもが自宅敷地を共有で相続し、同居していることが条件になる。

 10年3月までは、親と同居していない子どもが相続する場合でも、240m2までは土地の相続税評価額が8割減となっていた。ところが10年4月に同特例の適用が厳格化。親と同居していなかった子どもの相続分については、8割減の特例が使えなくなったのだ。これも相続税の課税割合を高める要因になっている。東京都23区内における主要区の相続税の課税割合を見ると、明らかに10年に増えている(図4)。15年1月の改正後も、親との同居が特例適用の条件になっている。

図4 減額特例の厳格化で相続税を支払う人が増えている
東京都内の主要特別区における相続税の課税割合(1年間に亡くなった人のなかで、相続税を課税される被相続人の割合)の変化を表したもの。相続税の減額特例の適用が厳格化された10年は、課税割合が上昇している(資料:アークブレイン)
東京都内の主要特別区における相続税の課税割合(1年間に亡くなった人のなかで、相続税を課税される被相続人の割合)の変化を表したもの。相続税の減額特例の適用が厳格化された10年は、課税割合が上昇している(資料:アークブレイン)