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崖の高さが想定より2m高い

 原告である発注者は、妻の所有地(690m2)に自宅の建築を計画した。この敷地は東側から西側に向かう急傾斜地だった。北側から南側に向かっても、緩い傾斜があった(図1)。原告は09年5月28日、斜面地での設計を得意とすることを標榜していた被告(設計事務所)に設計・監理を依頼した。被告は9月7日に設計を完了。同年12月7日に着工した。

図1 建物と崖の関係
(資料:判決文などをもとに日経アーキテクチュアが作成)
(資料:判決文などをもとに日経アーキテクチュアが作成)

 被告の設計ミスによる問題が露呈したのは、掘削や基礎の杭打ち工事などを終えた頃だ。敷地に近接する崖の高さが、設計図書より2m程度高かった。その結果、工事を続行すると完成時に崖と建築物との距離が県条例に違反してしまうことなど、様々な問題が明らかになった。

 原告は10年8月、被告が敷地の地表面の高さを誤った結果、当初の設計通りの建物を建築できなくなったと主張。設計・監理契約の債務不履行解除に伴う原状回復など、約2400万円の損害賠償を求めて提訴した。