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街区単位で守るという発想も

 特集で取り上げた木造技術が都心の戸建て住宅で使えるようになるには、相当の時間がかかるだろう。一方で、木造密集地域(木密)の木造戸建て住宅はすぐにも建て替えなければならない状況だ。そうしたなかで、ビルディングランドスケープ(東京都豊島区)の山代悟代表は、従来の木密対策とは正反対ともいえる「高密度木質市街地モデル」を提案する(図8-3)。

図8-3 ブロック区画で木造住宅を守る
「高密度木質市街地モデル」のイメージ。建築基準法における1500m²の面積区画を、複数建物のブロックに拡大適用したスタディー。ブロック同士の区画を構成する防火壁(ブロック区画)はインフラ配管の通り道ともなっており、災害時の一時避難場所への避難路ともなる。建築家の山代悟氏が東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターと共同で2010年から研究しているもの(資料:ビルディングランドスケープ)
「高密度木質市街地モデル」のイメージ。建築基準法における1500m²の面積区画を、複数建物のブロックに拡大適用したスタディー。ブロック同士の区画を構成する防火壁(ブロック区画)はインフラ配管の通り道ともなっており、災害時の一時避難場所への避難路ともなる。建築家の山代悟氏が東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターと共同で2010年から研究しているもの(資料:ビルディングランドスケープ)

 簡単にいうと、木造密集地を木質建築で再整備するために、RC造などの「ブロック区画」を要所に配置し、街区単位で防火性能を高める提案だ。実現するには様々な課題があるが、国として都市の木質化に本腰を入れるつもりならば、視野に入れるべき考え方だろう。

 中小規模の建築が単体でできることには限界がある。江戸以前の都市が堀や水路で区画されていたように、インフラで都市を火から守る発想も必要だ。

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