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「別棟」で耐火の規定を回避

 山鹿小学校は、市内2つの小学校の統廃合に伴って建て替えられた。敷地は、市の中心部の住宅地にあり、法22条区域に指定されている。

 延べ面積が約8750m2の校舎は、敷地内を東西に伸びる2つの外部空間「学びの街道」と「学びの原っぱ」によって、大きく3つのゾーンに分かれて建つ。一部が2階建てだが、基本的には平屋だ。

 ゾーンごとに、体育館や普通教室など、用途の異なる建物が建つが、全てRC造と木造の混構造。いずれも、随所に配置したRC造のコア部分で水平力を確保し、その間に細い部材で組んだ木造の架構を渡した構成だ。

 「普通に設計したら、法規上、この校舎のような木造の架構はつくれなかっただろう」と、工藤代表は言う。延べ面積が3000m2を超える学校は、耐火建築物にしなければならないからだ。耐火建築物の主要構造部に必要な防火構造を、105mm角の細い木材を現しで使って成立させる方法はない。

 そこで着目したのが、「別棟解釈」と呼ばれる規定だ。防火構造の区画などを挟んで、一定の面積以内に建物を切り離していけば、それぞれが「別棟」として扱われ、耐火建築物にしなくてよくなる。敷地の防火指定にもよるが、一般的に2階建て以下の学校は、3000m2以下に分ければ耐火建築物の対象から外れる。さらに分割の単位を2000m2未満まで落とせば、準耐火建築物の必要もなくなる。

 山鹿小学校ではこの解釈を利用し、RC造のコア部分の一部や、渡り廊下によって校舎を別棟化。それぞれが2000m2未満の6つの棟に分けている(図4-1)。これによって、耐火被覆や燃えしろ設計をすることなく、細い部材の架構を現しで使う道を開いた。

図4-1 別棟解釈で校舎を6つに区画
(写真:松浦 隆幸)
(写真:松浦 隆幸)

 準耐火・耐火建築物以外でも、一定面積を超えると防火区画(面積区画)が必要なため、それぞれの別棟内をさらに1000m2以下に区画し、防火壁を設けている。