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法規

大規模木造を左右する法制度の矛盾

 現行法規のもとで、大規模木造の学校を設計するのは容易ではない。地上2階建て以下ならば、山鹿小学校の例のように、何らかの道が残されている。しかし、3階建て以上になると、耐火建築物にする以外に道はない。そのため、国土交通省は現在、木造3階建て校舎の規準を緩和するための実験を進めている。

 「しかし、2階建て以下でも、現行の法制度には、大規模木造の可否を左右するような未整理の問題が多々ある」。山鹿小学校を設計した工藤和美代表はそう指摘する。

 例えば、別棟解釈によって木造部分を仕切る耐火構造の箇所は、避難経路にできないとみなされることが多い。一方、それとは別に設けられている「防火区画」では、区画の防火壁を避難経路に入れることが可能だ。実際の設計で、双方が重なる箇所が発生した場合、どう判断すべきなのか、明確な基準はなく、建築主事の判断もばらつくという。国土交通省が2012年に設置した「建築基準制度部会」の委員でもある工藤代表は、そうした問題の解決を、同部会でも提言している。