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─回り縁を使わず、どうやって見切るのですか。

 主に2つの方法があります。1つはぶつけ。例えば、天井がペンキで壁がしっくい仕上げの場合、どちらも見た目が似ていますから直接ぶつかるように仕上げます。先に天井をペンキで仕上げておき、壁にしっくいを塗る。ただし、丁寧に仕上げないと見切り面がムラになるのが難点です。

 確実にきれいに仕上げるためには底目地で納めます(図1の左側)。壁と天井の間に樹脂製の薄い見切りを入れて目地をつくり、見切りはパテ処理で隠します。また、壁と天井の両方に羽目板を使うときは、天井の板の端をしゃくって目地をつくり、壁にぶつけます(図1の右側)。ぶつけと底目地を併用する納め方で、底目地がきれいに見えます。

図1 底目地は施工が確実できれいに見える
伊礼智設計室での壁と天井の標準納まり。左が一般的な「底目地」、右は「ぶつけ」との併用例(資料:伊礼智設計室、イラスト:宮沢 洋)
伊礼智設計室での壁と天井の標準納まり。左が一般的な「底目地」、右は「ぶつけ」との併用例(資料:伊礼智設計室、イラスト:宮沢 洋)

─しゃくる、というのは?

 しゃくるとは、材料の一部を欠き込むことです。

─建具と壁の見切りはどうするのですか。よく枠のようなものが付いていますね。

 そうですね。既製品の建具の場合、建具と枠はセットですが、私は原則として既製品は使いません。枠は大工、建具は建具職人の仕事になります。

 建具とは、すなわち内部と外部、部屋と部屋の境界です。建具の枠をデザインすることは、境界線をデザインすることです。その境界線を壁のあちこちに配置するようなことはしたくない。空間が分断されてしまうからです。

 しかし、窓と壁、または窓と窓、窓と家具をつなげようとすると(写真1)、枠と複数の部位が絡んで、納めるのがとても難しい。標準化していても、建物に合わせてその都度、何枚も詳細図を描くことになります。枠まわりはデザインの要と言えるほど大事な部分です。

写真1 開口部まわりが特に難しい
小さな窓と掃き出し窓、天井がぶつかる部分の例。すっきり納めるのがとても難しい(写真:西川 公朗)
小さな窓と掃き出し窓、天井がぶつかる部分の例。すっきり納めるのがとても難しい(写真:西川 公朗)