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─障子についても教えてください。

 障子は框(枠)と組子で構成されます(図2)。

 うちの事務所の標準は吉村順三流です(写真3)。框と組子の見付けを同じ寸法にしてゾロ(同一面)で納めます。そうすると、障子が何枚あっても遠目には1枚に見えるんです。「吉村障子」とも呼ばれています。

図2 障子の名称を知っておこう
(イラスト:宮沢 洋)
(イラスト:宮沢 洋)
写真3 框と組子が同寸法の「吉村障子」 
框と組子の見付けを同じ寸法にしてゾロ(同一面)で納めると、全体で1枚に見える。「吉村障子」とも呼ばれる手法(写真:西川 公朗)
框と組子の見付けを同じ寸法にしてゾロ(同一面)で納めると、全体で1枚に見える。「吉村障子」とも呼ばれる手法(写真:西川 公朗)

─吉村障子の寸法は?

 うちで使っているものは、框と組子の見付けが18mm、見込みが30mmです。強度を確保するため、下框だけ少し見付けを大きくしています(24mm)。組子の縦横の割り付けは開口部の大きさに合わせますが、だいたい高さ30cm×幅40cmぐらいの大割り。横長の割り付けにすると、落ち着いた印象になります。

─建具には、ノブや引き手も必要ですね。

 引き手は建具の印象を左右します。もちろん機能的にも重要です。私は引き戸を多用するので、引き手にはこだわります。例えば、フラッシュ戸にはなるべく金具を使わず、チークなどの堅木を組み込んでそこに手掛けを付けます(写真4)。

 引き込み戸を引き出すための金物を呼び出しと言います。ガラス框戸など重い建具の呼び出しには回転引き手を、枠の薄い障子には短冊下がり(写真5)を用います。

写真4 基本はチークの引き手
チークでつくった手掛けの例。扉はブラインドの生地で制作した(写真:伊礼智設計室)
チークでつくった手掛けの例。扉はブラインドの生地で制作した(写真:伊礼智設計室)
写真5 金物で印象が変わる
障子の呼び出しの1つ、「短冊下がり」。実寸より少し長めに彫りこんで納めると呼び出しやすくなる(写真:伊礼智設計室)
障子の呼び出しの1つ、「短冊下がり」。実寸より少し長めに彫りこんで納めると呼び出しやすくなる(写真:伊礼智設計室)

 私は先輩たちから、たとえ扉の材料はベニヤであっても「金物にはお金を惜しむな」と教わりました。特に、玄関ドアの金物は、防犯上はもちろん、訪問者が最初に手で触れる部分なので重要です。次回は、玄関について詳しく見ていくことにしましょう。