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知識工学と建築計画を足し算

 鹿島技術研究所は、2005年から産業技術総合研究所(産総研)と共同で、オフィスワーカーの一人ひとりの行動履歴をモニタリングし、それをオフィス計画に生かす研究を続けてきた。東芝電力システム社の磯子エンジニアリングセンターは、研究成果を本格的に適用した最初のプロジェクトだ。

 共同研究は、両者が東京・秋葉原の同じオフィスビルに入居したことがきっかけで始まった。ビル内の研究者同士の交流から、オフィスワークとレイアウトをつなぐ共同研究の話が持ち上がった。

 産総研の社会知能研究グループの和泉憲明・上級主任研究員は、鹿島から研究提案を受けたときのことを今でもよく覚えている。

 「鹿島の研究者の方からこんな話をされた。『これまで我々は建物のレイアウトやしつらえの領域に、なるべく踏み込まないようにしてきた。しかし、これからはそうはいかない。オフィスワーカーの実態をよく分析し、オフィス計画に生かす時代が来る。だからワーカーの振る舞いを科学的、定量的に把握する分野でぜひ協力してほしい』と。実は私自身も知識工学の専門家の立場から、オフィス計画に関心を抱いていた。双方の知見を持ち寄れば、これは面白い研究になると思った」と振り返る。