PR

4つのプロセスを回す

 両者による共同研究は、実地調査から始まった。05年から産総研・秋葉原事業所内の情報系研究室などを対象に、大規模なレイアウト変更を実施し、コミュニケーションの状態がどう変わるかを検証した。そうしたプロセスを繰り返すなかで確立されたのが、以下のような方法だ(図2-2、図2-3)。

図2-2 レーザー光でワーカーの位置を正確に測定
オフィスワーカーの位置測定に用いた装置は、北陽電機のUTM-30LX(定価は約40万円)。レーザー光の反射光を受信してユーザーの位置を検知する(写真:北陽電機、資料:日経アーキテクチュア)
オフィスワーカーの位置測定に用いた装置は、北陽電機のUTM-30LX(定価は約40万円)。レーザー光の反射光を受信してユーザーの位置を検知する(写真:北陽電機、資料:日経アーキテクチュア)
図2-3 部署間の接触が活発になると生産性は向上する
鹿島技術研究所と産総研の共同研究チームが進めた作業の流れ(資料:取材をもとに日経アーキテクチュアが作成)
鹿島技術研究所と産総研の共同研究チームが進めた作業の流れ(資料:取材をもとに日経アーキテクチュアが作成)

 まず、オフィスワーカーの行動をモニタリングする。レーザー光を照射するセンサーを複数台設置し、人の場所や動きを追跡。センサーはパソコンと接続し、膨大な行動履歴のデータを蓄積する。

 続いて、そのモニタリング情報をもとに、一人ひとりのオフィスワーカーの行動をモデル化する。午前中は自席で作業し、午後は会議スペースで部下と打ち合わせ…といったように、平均的な日々の行動をパターン化する。

 次に、そのモデルに基づいて、複数のレイアウト案をシミュレーションし、どのプランで最もコミュニケーションが活発になるかを検討する。最善と思われる方法を採用してレイアウトを変更する。

 実際に変更したら、アンケート調査やヒアリングを実施したりして、満足度や業務へのインパクトを検証する。4つのプロセスはどこから始めても構わない。このサイクルを回しながら、仮説の修正と検証を繰り返す。