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市長自ら主導

 もともと武雄市の樋渡啓祐市長は、図書館のヘビーユーザーと自負するだけに、図書館の在り方に疑問を抱いていた。「図書館は文化の中枢。何とか再構築できないか」と考えあぐねていた。11年末にテレビ番組でCCCの増田宗昭社長と同社の運営する『代官山 蔦屋書店』を見て、「これだと直感した」という。市長は自らCCCに乗り込み、図書館運営を依頼。増田社長から快諾を得て、12年5月にCCCを指定管理者とすると発表した。

 CCCにとって図書館運営は初めてのこと。しかし、同社の図書館プロジェクトの高橋聡プロジェクトリーダーは「図書館の運営と言っても、基本はTSUTAYAの店舗を出店するのと同じ。市民が図書館に何を期待しているかを把握すること。そして提供者側のエゴを排除すること。この2つを徹底した」と話す。

 ニーズを把握するために、CCCは2カ月かけてマーケティング・リサーチを実施。300人に対面調査をすると同時に、CCCの発行するTカードから、武雄市と同規模の5万人の街でどのようなジャンルのコンテンツが好まれるかを調べた。これらの調査で浮かび上がったのが、雑誌の充実とカフェの設置を望む声だった。改修前、図書館にあった雑誌は107タイトル。図書館としてこれ以上、雑誌を購読し、保管するにはコストがかかる。

 そこでCCCが考えたのが、書店との連携だ。武雄市図書館には、書籍販売や音楽・映像レンタルの「蔦屋書店」と、スターバックスコーヒーが出店する(写真1-3)。蔦屋書店で販売する雑誌を増やすことで、合計600タイトル以上を確保。販売している雑誌であっても、館内であれば大半の雑誌を原則、自由に読むことができる。一般の公立図書館でも雑誌の貸し出しを禁止し、館内で読むことを原則としているところは多い。利用形態はそれらと変わらない。

写真1-3 座席を1.5倍に
カフェを含め、座席は従来の187席から279席へ増やした。スタジオアキリの宮原新代表は「図書館が様々な世代の交流スペースになれば」と話す(写真:イクマ サトシ)
カフェを含め、座席は従来の187席から279席へ増やした。スタジオアキリの宮原新代表は「図書館が様々な世代の交流スペースになれば」と話す(写真:イクマ サトシ)