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キーパーソンに聞く
顧客の批判に耐えられないものは残らず

武雄市市長 樋渡 啓祐(写真:イクマ サトシ)
武雄市市長 樋渡 啓祐(写真:イクマ サトシ)

 「代官山 蔦屋書店」と出会うまで、来館者数や貸出数など、ひたすら図書館の利用率となる指標ばかり気にしていた。指標を上げることばかりに気を取られ、空間のことを考えていなかった。自治体にとっては市民が顧客だ。おもてなしする空間にしなければ顧客が来訪するはずがない。

 幸い、武雄市には立派な図書館がある。竣工当時と比べニーズは変わっているが、顧客の視点に立って、時代に合った形に直せば、既存の建物であっても新しい価値を持たせることができる。この計画に対して、確かに批判はあった。しかし従来の発想では何も変わらない。今回は徹底的に「気持ちの良い空間づくり」に腐心した。

 図書館法を盾に、書店と図書館の間に柵を設けるべきだといった意見もあった。しかしそれによって利用者が使いづらくなってしまっては本末転倒だ。ゾーンを分けることで文部科学省を説得した。

 顧客の批判に耐えられないものはそもそも残らないはず。今後はつくり上げた空間を育てていく。そのためには、利用者の声に1つずつ対応しながら、時代の半歩先のニーズに応える空間としていきたい。(談)