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事業者に賃貸して収益上げる

 土地を活用して収益を上げたいが、なるべく事業リスクを抑えて安定的な収益を得たい場合、まず考えられるのが賃貸住宅だ。賃貸住宅ニーズは手堅いので、テナントビルなどよりも空室の出る確率が低く、賃料が大きく変動することも少ないからだ。

 さらにもっとリスクが低い方法がある。例えば、定期借地権を設定して第三者の事業者に土地を賃貸し、施設の建設と事業経営を行わせるパターンだ(図2)。

図2 サービス付き高齢者向け住宅を第三者の事業者が経営する場合
サービス付き高齢者向け住宅では、地主が第三者の事業者に土地を賃貸し、事業者が建設・経営することが多い。より大きな収益を上げるために、建物を地主が建てて賃貸するケースもある(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)
サービス付き高齢者向け住宅では、地主が第三者の事業者に土地を賃貸し、事業者が建設・経営することが多い。より大きな収益を上げるために、建物を地主が建てて賃貸するケースもある(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)

 最近、急激に増えている「サービス付き高齢者向け住宅」(以下、サ付き住宅)では、このパターンが多い。サ付き住宅は補助制度が手厚く、建設費やランニングコストを普通のマンションと同程度に抑えることができる。そのうえ高齢化を受けて、普通の賃貸マンションよりも空室率が低く、収益率を高められる可能性がある。サ付き住宅を利用して収益を上げたいと考える地主は増えている。

 ただし、普通の賃貸マンションと違って、外部の医療・介護施設との連携といったノウハウが必要なので、事業の専門性は高い。そこで、サ付き住宅を経営できる事業者に、定期借地権を設定して土地を賃貸するケースが多い。

 通常は、建物も事業者が建設する。この場合、地主のリスクはさらに小さくなる。建設費を捻出するための借入金の元利返済リスクも、建物の損傷リスクも負わないメリットがある(図3)。

図3 地主が自ら建物を建設する方がリスクは大きい
地主が自ら建物を建設すると、借入金の元利返済リスクや建物の損壊リスクなどを抱え、負担が大きくなる(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)
地主が自ら建物を建設すると、借入金の元利返済リスクや建物の損壊リスクなどを抱え、負担が大きくなる(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)

 そのうえ安定的な地代収入を得られる。また、定期借地権の設定時に、一時金として土地評価額の15~20%程度を受け取ることができる。定期借地権を設定した土地の評価額は下がるので、相続税の節税効果もある。

 より大きな収益を上げるため、地主が自ら建物を建設し、事業者に土地と建物を賃貸するケースもある。単に土地を賃貸するのに比べて通常、収益は大きくなる。

 ただし、建設費のために調達した借入金の元利返済や、建物の修繕・維持管理費などの支出が増えるデメリットがある。地主の資金が潤沢で、リスクを抱えても収益を上げたいという強い意欲がない限り、建物の建設までは考えない方がよいだろう。