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定期借地権の特徴も把握

 定期借地権を利用するときは、その種類や特徴を事前に押さえておきたい。

 1992年に借地借家法が改正される前の「旧法借地権」では、土地の賃貸契約は自動更新され、地主は正当な事由がない限り更新を拒否できないなど、借り手に有利だった(図4)。法改正後は、契約完了時に借地が確実に返還されるので、地主は土地を貸しやすくなった。

図4 住宅は一般定期借地権、商業施設は事業用定期借地権
定期借地権は3種類あり、借地権の存続期間や、建設できる建物の制約が異なる(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)
定期借地権は3種類あり、借地権の存続期間や、建設できる建物の制約が異なる(資料:アークブレインの資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)

 定期借地権は3種類あり、それぞれ契約期間の下限が異なる。

 サ付き住宅のような居住用施設では通常、一般定期借地権を設定する。借地権の存続期間は50年以上と長いので、借家の入居者が安心して住むことができる。

 住居用の一般定期借地権なら、1戸当たり200m2までの宅地では、借地権を設定していない場合に比べて、固定資産税の評価額が6分の1、都市計画税の評価額が3分の1になる。年間地代の水準は、土地評価額(公示価格ベース)の1.0~1.5%程度だ。

 コンビニエンスストアやファミリーレストランなどの商業施設を建設する場合は、事業用定期借地権を設定することが多い。借地権の存続期間は10年以上50年未満だ。一般定期借地権より短いので、早期に土地を返還してもらいたい場合に選択する。ただし、居住用施設は建設できない。一般的に地代水準は土地評価額(公示価格ベース)の3.0~6.0%程度だ。

 このほかに建物譲渡特約付借地権がある。契約期間の満了ではなく、建物を地主が買い取ることで終了する定期借地権だ。しかし、地主にとってメリットが小さいので、利用例は少ない。

 建築主自身、自分の目標を達成するために、どのように土地を活用すればいいのか分からないことが多い。建築設計者は、前述した土地活用のパターンや定期借地権の内容などを把握していれば、こうした発注者の悩みに応えるときに役立つだろう。