PR

貫通通路で路面を増やす

 オーク表参道は、東京メトロ・表参道駅に直結する好立地にある。表参道は東京でも随一といえるブランドストリート。1階と2階の低層部はその路面という特性を生かすため、建物中央に「パサージュ」と称した敷地内貫通通路を設けた。

 レンタブル面積は減るが、新たな動線をつくり出すことで実質的な路面部分を広げた。大林組開発事業本部東京開発推進第四部の菅野達也副部長は、「テナントにとっては、どれだけ路面に顔を出せるかが非常に重要なので、リーシングにはプラスになる」と話す。大林不動産の直接交渉によって、「コーチ」「エンポリオ アルマーニ」といった有名ブランドの旗艦店が出店。このエリアにふさわしい華やかさを添えている。

 一方、敷地の南側の住宅街には、小規模な店舗が増え始めている。パサージュによって、周辺の人の流れを活性化することを意図した(写真3)。同時に近隣環境との融和を図るため、歩道や緑地も整備した(写真4)。

写真3 住宅側に緑地を整備
敷地南側には住宅や小規模な店舗が並ぶ。上層部分は壁面をセットバックし、緑地を設けている(写真:山本 育憲)
敷地南側には住宅や小規模な店舗が並ぶ。上層部分は壁面をセットバックし、緑地を設けている(写真:山本 育憲)
写真4 空地を整備した西側
建物の西側は敷地内に歩道を拡幅し、ベンチを設置。歩行者の利便性を高めた(写真:山本 育憲)
建物の西側は敷地内に歩道を拡幅し、ベンチを設置。歩行者の利便性を高めた(写真:山本 育憲)

 北西角に入る店舗は「コーチ 表参道」。デザインコンペを経て、レム・コールハース氏が率いるOMAニューヨークオフィスの内外装デザインを採用。同事務所のパートナーである重松象平氏が中心となってデザインした。1800mm×520mmを基本モジュールとした商品棚となるガラスボックスが、外装材を兼ねているのが特徴だ。

OMAニューヨークオフィスがデザインした「コーチ 表参道」の店内。外壁部分は2.4m×3.6mの鉄骨フレームが1ユニットで、ガラスボックスが織物の柄のように組み合わされる(写真:山本 育憲)
OMAニューヨークオフィスがデザインした「コーチ 表参道」の店内。外壁部分は2.4m×3.6mの鉄骨フレームが1ユニットで、ガラスボックスが織物の柄のように組み合わされる(写真:山本 育憲)

外装のガラスボックスのデザインを内部にも生かした。特に階段部分はボックスに囲まれたように感じる(写真:山本 育憲)
外装のガラスボックスのデザインを内部にも生かした。特に階段部分はボックスに囲まれたように感じる(写真:山本 育憲)

 地上3階~8階には賃貸オフィスが入る(写真5)。周辺に同規模のオフィスビルが少ないことから、引き合いは多く好調だという。

写真5 レイアウト変更が自在なオフィス
3階から8階までのオフィス部分は、60cm四方の「O-GRID」と呼ぶシステム天井で、消費電力を22%削減。60cmごとに間仕切りを設置することでオフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できる(写真:日経アーキテクチュア)
3階から8階までのオフィス部分は、60cm四方の「O-GRID」と呼ぶシステム天井で、消費電力を22%削減。60cmごとに間仕切りを設置することでオフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できる(写真:日経アーキテクチュア)