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経営戦略を建物に込める

 事業5用途の場合、施設の成否は賃料を稼げるか否かで決まる。しかし我々が注目する事業5用途以外の施設の場合、カギとなるのは本業への貢献だ。企業の経営戦略を読み、施設計画に盛り込むスキルを、発注者は求めている。

 当社がコンストラクション・マネジメント(CM)を手掛けた例を紹介しよう。自動車部品を軸に、電線やソーラー機器などを開発・製造する矢崎総業の「ものづくりセンター」(静岡県牧之原市)だ。矢崎グループは世界43カ国に生産拠点を持つグローバル企業。国内では生産機能を縮小し、研究開発や経営戦略といった中枢機能を集約する計画を持つ。

 当初の依頼は、施設の“箱”をつくることに限定されていた。しかし当社は経営戦略を読み解いたうえで、その戦略とマッチした提案をした。研究開発と海外の人材教育、生産機能の構築という3つの機能を統合する事業創造の場という構想で、3棟の建物にそれぞれの機能を割り当て連携させる計画だ〔図3〕。提案期日直前の参加だったが、それでも勝てたのは、発注者の理念や経営戦略を理解し、提案書に盛り込めたことが大きいと考えている。

〔図3〕経営戦略とマッチした施設の提案を
山下ピー・エム・コンサルタンツ(山下PMC)が手掛けた矢崎総業の「ものづくりセンター」の例。国内の製造ラインを縮小して研究開発や教育機能を集約するという経営戦略を読み解き、施設計画に盛り込んだ(イラスト:ぽむ企画)
山下ピー・エム・コンサルタンツ(山下PMC)が手掛けた矢崎総業の「ものづくりセンター」の例。国内の製造ラインを縮小して研究開発や教育機能を集約するという経営戦略を読み解き、施設計画に盛り込んだ(イラスト:ぽむ企画)